★米国株式市場は上昇:ソフトランディング期待から買い優勢に
NYダウは170.57ドル高の37695.73ドル、ナスダックは111.94ポイント高の14969.65ポイントで取引を終了した。今週予定されている重要インフレ指標や銀行決算の発表を控えた調整が続き、寄り付き後は小幅高となった。長期金利が上昇に転じたため一時相場は下落に転じたが、ソフトランディング期待を受けた買いやハイテクの買いが下値を支え、終盤にかけて上げ幅を拡大した。引けにかけ、NY連銀のウィリアムズ総裁がバランスシート縮小ペースを減速する段階にはまだ達していないとの発言を受けて上昇が一服して終了した。VIX指数は12.76から12.69へ低下した。
★NY外国為替市場:日銀の早期政策修正観測の後退で円売り優勢に
ドル/円は、厚生労働省が東京時間に発表した2023年11月の毎月勤労統計調査で、物価変動の影響を除いた実質賃金が20カ月連続で減少したことが分かると、日銀の早期政策修正観測が後退した。NY市場に入っても円を売る動きが続いた。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景にリスク選好の円売り・ドル買いも出て、一時145.83円と本日高値を付けた。5日の12月米雇用統計発表直後に付けた高値145.97円がレジスタンスとして意識されるといったんは伸び悩む場面もあったが、下押しは145.57円付近にとどまった。
ユーロ/ドルは、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて全般ユーロ買いが強まったほか、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が「インフレの上振れリスクがあるため、警戒を続ける必要」「利下げに関する議論は時期尚早」との見解を示したことが相場の支援材料となり、一時1.0973ドルと日通し高値を更新した
★NY原油先物市場は反落:原油在庫の積み増しを嫌気した売り
NY原油先物市場は71.01ドル‐73.59ドルのレンジ相場となった。序盤は昨日来の主要原油輸送ルート・紅海の治安悪化による供給不足を懸念した買いが先行した。前日高値を上回る73.59ドルまで上昇した。しかし米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(1/5時点)で原油在庫が積み増しへ転じたことを確認後は上昇幅を帳消した。原油在庫は+133.8万バレル(前週 -550.3万バレル)だった。米国市場の中盤にかけて73.59ドルまで買われたが、供給不安は多少緩和されており、米国市場の後半にかけて71.01ドルまで値を下げた。通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移。
★NY金先物市場は4営業日続落:米長期金利下げ渋りを意識した売り優勢に
NY金先物市場は2025.90‐2046.20ドルのレンジ相場となった。ここ数日の売りに対する反動で一時2046.2ドルまで反発した。しかし同水準で頭打ちとなると2030ドル割れへ下押した。欧米金利が上昇するなか、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下が引き続き意識されやすかった。ロンドン市場で2046.20ドルまで買われた。しかし、米長期金利の下げ渋りを意識した売りが次第に強まり、通常取引終了後の時間外取引で2025.90ドルまで売られた。
★米国債券市場はまちまち:ポジション調整目的の売買が中心
米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.35%で終了した。また、長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.03%で終了した。明日11日の12月米消費者物価指数(CPI)を前にポジション調整目的の売りが出た。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレ率を2%に戻すという我々の取り組みはまだ終わっていない」「FRBはしばらくの間、制限的な政策スタンスを必要とするだろう」と話したことも相場の重しになった。
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