FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米インフレ指標発表控えポジション調整の売買

NYダウは157.85ドル安の37525.16ドル、ナスダックは13.94ポイント高の14857.71ポイントで取引を終了した。利益確定売りが先行し、寄り付き後は下落した。NYダウは高値警戒感から終日軟調に推移した。ナスダックは金利先安観が支援し終盤にかけてプラス圏を回復した。今週後半に発表を控えている消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)を控え調整色が強くまちまちで終了した。VIX指数は13.08から12.76へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングでドル買いフローで強まる

ドル/円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.05%台から3.99%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行し、一時143.65円付近まで下押しした。ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると強含んだ。アジア時間に付けた日通し安値かつ200日移動平均線が位置する143.42円が重要なサポートとして意識された面もあり、一時144.62円と日通し高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の11月独鉱工業生産が予想を下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売り・ドル買いが進行した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、前日の安値1.0923ドルを下抜けて一時1.0911ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも1.0940ドル付近にとどまった。なお、センテノ・ポルトガル中銀総裁は「欧州中央銀行(ECB)は最近の想定よりも早期に利下げを実施し、5月まで決断を待つ必要はない」と述べたほか、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「インフレがECBの目標である2%にしっかりと持続的に定着すれば、年内に利下げが実施される」などと話した。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下した。米証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を承認したと伝わると買いが先行した。対ドルで一時4万7914ドル前後まで上昇した。ただ、SECが「ビットコインETFを承認した事実はない」と表明すると一転売りが優勢になり、一時4万5021ドル前後まで急落した。なお、ゲンスラーSEC委員長は「SECのソーシャルアカウントが不正使用された」と説明した。

 

NY原油先物市場は反発:自立反発狙いの買いが優勢に

NY原油先物市場は70.47ドル‐72.93ドルのレンジ相場となった。主要原油輸送ルートである紅海の治安悪化による供給不足を懸念した買いが先行した。一時72.93ドルと、73ドル台回復に迫る場面もあった。アジア市場で70.47ドルまで買われたが、自律反発を期待した買いが入ったことや供給不安の懸念は消えていないことから、米国市場の前半にかけて72.93ドルまで値を上げた。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は小幅に3日続落:米長期金利の伸び悩みで下げ渋り

NY金先物市場は2031.90‐2048.60ドルのレンジ相場となった。昨日3.96%台まで低下した米10年債利回りが本日はおおむね4%台を維持して推移した。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下が意識され重く推移した。米国市場の序盤にかけて2048.60ドルまで買われたが、中盤にかけて一時2031.90ドルまで下げた。しかしながら、米長期金利の伸び悩みを受けて下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に2035ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は続伸:12月CPIの発表控え方向感は出ず

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は下落)4.36%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い4.01%で終了した。3年債入札が「好調」と受け止められると買いが入ったものの、11日に12月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて大きな方向感は出なかった。

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