FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米長期金利低下が相場の下支え

NYダウは216.90ドル高の37683.01ドル、ナスダックは319.70ポイント高の14843.77ポイントで取引を終了した。航空機メーカーのボーイング(BA)の下落が重しとなり、寄り付き後はまちまちとなった。携帯端末アップル(AAPL)や半導体エヌビディア(NVDA)の上昇に加えて、長期金利の低下でナスダックは終日堅調に推移し、相場全体を支えた。終盤にかけて、ハイテクが上げ幅を一段と拡大、さらにボーイングの下げ幅縮小に連れてダウも大きく上昇に転じ終了した。VIX指数は13.35から13.08へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米アトランタ連銀総裁のタカ派発言でドル買い戻し

ドル/円は、NY連銀が公表した12月の消費者調査で、1年先の期待インフレ率が3.0%と前月の3.4%から低下し、3年ぶりの低水準を付けたことが分かると、米10年債利回りが3.96%台まで低下した。全般ドル売りが優勢となった。前週末の安値143.81円を下抜けて一時143.66円まで値を下げた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁が「FRBはインフレ抑制を確実に継続するため、引き締めの姿勢を崩していない」「現時点では勝利を宣言するのは時期尚早」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制すると米長期金利が低下幅を縮小した。ドル/円にも買い戻しが入り、144.27円付近まで下値を切り上げた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢になると、一時1.0979ドルと日通し高値を付けた。ただ、ボスティック米アトランタ連銀総裁の発言が伝わると、1.0949ドル付近まで上値を切り下げた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:需要減少の思惑が浮上して売り優勢に

NY原油先物市場は70.13ドル‐73.95ドルのレンジ相場となった。一部通信社が石油輸出国機構(OPEC)による昨年12月の生産量が11月をやや上回ったとの試算が重しになった。3日以来、3営業日ぶりの安値となる70ドル台まで一時下落した。アジア市場の序盤で73.95ドルまで買われたが、サウジアラビアが2月渡の販売価格引き下げを提示したため、需要減少の思惑が浮上した。米国市場の前半にかけて70.13ドルまで値を下げた。通常取引終了後の時間外取引では主に71ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高を警戒した売り優勢に

NY金先物市場は2022.70‐2053.30ドルのレンジ相場となった。米早期利下げの見方がいったん後退する形となるなか時間外取引で昨年12月13日以来の2020ドル割れとなる2019.1ドルまで売りが先行した。ただ、その後は米金利が低下してドルが軟化するとドル建て金価格に割安感が生じ、2030ドル台まで買い戻しが入った。アジア市場で2053.30ドルまで買われたが、ドル高を警戒した売りが入ったことで伸び悩み、ロンドン市場の前半にかけて2022.70ドルまで売られた。ただ、米国市場ではドル高一服を受けて2043.60ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引では主に2035ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は反発:米アトランタ連銀総裁のタカ派発言から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)4.38%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02低い4.03%で終了した。NY連銀が発表した12月消費者調査で1年先の期待インフレ率が約3年ぶりの低水準となり、インフレの鈍化傾向が改めて意識されると債券買いが広がった。ただ、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「FRBはインフレ抑制を確実に継続するため、引き締めの姿勢を崩していない」と発言すると伸び悩んだ。

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