★米国株は下落:FOMC議事要旨のタカ派の内容受け下げ幅拡大
NYダウは284.85ドル安の37430.19ドル、ナスダックは173.73ポイント安の14592.21ポイントで取引を終了した。リッチモンド連銀のバーキン総裁が講演で、追加利上げの選択肢も依然あると言及したため早期の利下げ期待が後退し、寄り付き後は下落した。長期金利の上昇でハイテクも売られ、相場を押し下げた。終日軟調に推移し、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも長期にわたり金融引き締め策を維持する方針が再確認されると、終盤にかけ下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は13.20から14.04へ上昇した。
★NY外国為替市場:早期利下げ観測けん制発言でドル買い優勢に
ドル/円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁が「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」と話し、市場の早期利下げ観測をけん制するとドル買いが加速した。200日移動平均線が位置する143.18円を上抜けて一時143.73円まで上値を伸ばした。12月米ISM製造業景況指数が47.4と予想の47.1をやや上回ったことも相場の支援材料となった。1日に石川県能登半島で地震が発生して以降、「日銀が早期に政策を変更することは困難」との見方が広がっていることも円売りを誘った。なお、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が879.0万件と予想の885.0万件を下回ったことを受けて、一時142.82円付近まで伸び悩む場面もあった。
ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行した。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した昨年12月12-13日分のFOMC議事要旨で「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致」「金利は想定より長くピーク水準で維持される可能性がある」との見解が示されると、一時1.0893ドルと日通し安値を付けた。ただ、米10年債利回りが低下に転じると買い戻しが優勢に。4時30分過ぎには1.0926ドル付近まで下げ渋った。
★NY原油先物市場は5日ぶりに反発:供給不安の高まりから買い優勢に
NY原油先物市場は69.28ドル‐73.19ドルのレンジ相場となった。紅海での治安悪化により複数の海運会社が、紅海での航行停止の継続を発表した。このことで原油在庫の取り崩しが予想され、原油価格は5営業日ぶりで大きく反発して引けた。ロンドン市場で69.28ドルまで売られたが、中東情勢の悪化が警戒されていることや供給不安が再び高まったことから、買いが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で73.19ドルまで一段高となった。
★NY金先物市場は反落:ドル高を意識した売り優勢に
NY金先物市場は2038.30‐2074.30ドルのレンジ相場となった。ドル/円、ユーロ/ドルともに12月中旬以来となるドル高になったこともあり、ドルで取引される金価格は割高感から反落した。アジア市場で2074.30ドルまで買われたが、ロンドン市場で売りが強まり、米国市場で下げ幅は拡大した。ドル高を意識した売りが観測されており、一時2038.30ドルまで反落した。ただ、米長期金利の低下を受けて売りは一巡し、通常取引終了後の時間外取引で2050.30ドルまで戻している。
★米国債券市場はまちまち:米国株安を受けて買い直される
米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.32%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.92%で終了した。バーキン米リッチモンド連銀総裁が「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制すると売り(利回りは低下)が先行したものの、NY午後に入ると持ち直した。米国株相場の下落を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入った。
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