FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:押し目買いでプラス圏に浮上する場面も

NYダウは89.44ドル安の25250.55、ナスダックは66.15ポイント安の7430.74で取引を終了した。日本や中国などアジアの主要株式指数が大幅に下げ、投資家心理の重荷となった。また、サウジアラビアの記者殺害疑惑を受け、地政学リスクの高まりが意識された。トランプ大統領はサウジ政府の関与が判明すれば厳罰を科す考えを示した。
半面、足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入り、相場は何度がプラス圏に浮上する場面があった。 一方で、今週から本格化する7-9月期決算を見極めたいとの思惑もあり、もみ合う展開となった。VIX指数は21.31から21.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は111円台後半で狭いレンジ内での動き

ドル/円は、米国が日本と交渉する物品貿易協定(TAG)に為替条項を盛り込む意向を示したことで、欧州市場では一時111.59円と9月13日以来の安値を付けた。ただ、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。ユーロ/ドルは、独バイエルン州議会選挙における与党キリスト教社会同盟(CSU)の歴史的大敗については、売り材料とならなかった。9月米小売売上高が予想を下回ったことや米長期金利の低下がユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1606ドルまで値を上げた。ただ、前週末の高値1.1610ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は続伸:サウジアラビアをめぐる地政学リスクで買い

NY原油先物市場は一時72.70ドルまで買われた。国際エネルギー機関(IEA)が先週末に公表した月報で、2018年、2019年の石油需要の見通しを下方修正したことが嫌気され、売りが先行した。しかし、サウジアラビア反政府記者のジャマル・カショギ氏が殺害されたとの疑惑が浮上し、サウジアラビアをめぐる地政学的リスクへの警戒感が高まり、買い戻しが入った。また、トランプ米大統領はポンペオ米国務長官をサウジアラビアに派遣した。

 

NY金先物市場は反発:サウジアラビアをめぐる地政学リスクを警戒した買い

NY金先物市場は一時1236.90ドルまで買われた。米中貿易摩擦に対する警戒感が続くなか、サウジアラビアをめぐる地政学的リスクの高まりで、安全資産とされる金が買われた。また、為替相場で、対ドルで売りが先行したユーロが切り返したことも金の買いを後押しした。また、ユーロ高・ドル安の相場展開となったことも意識された。市場関係者の一部では米国株の先行観は後退しているとの理由で金先物は年内に1300ドル台に到達すると予想している。

 

米国債券市場は小反発:低調な米小売売上高受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.15%で終了した。米国株安や低調な米小売売上高を受けて買いが優勢となった。

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