FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:ハイテク株への利食い売りが相場の重し

NYダウは12.72ドル安の33714.71ドル、ナスダックは156.74ポイント安の13335.78ポイントで取引を終了した。民間軍事会社ワグネルによる反乱も短期で収束し露のプーチン政権を覆すことはなかったものの、地政学的リスク上昇を警戒した売りに寄り付き後は弱含んだ。その後は、月末、四半期末に向けた調整などに相場が一時上昇する局面もあったが、半導体エヌビディア(NVDA)などハイテク株の利食い売りに押されナスダック総合指数は終盤にかけて下げ幅を拡大した。相場全体の重しとなりダウも小幅下落に転じて終了した。VIX指数は13.44から14.25へ上昇した。

 

NY外国為替市場:手掛かり材料に欠けて方向感のない相場

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが3.67%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0920ドルと日通し高値を更新した。ただ、米10年債利回りが低下幅を縮めると1.0900ドル付近まで伸び悩んだ。なお、今日一日の値幅は0.0032ドル程度と小さかった。米経済指標の発表などもなく手掛かり材料に欠けたことから、相場は大きな方向感が出なかった。市場では『27・28・29日のNYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるまとまった規模のオプションが1.0900ドル近辺に観測されており、同水準を睨んだレンジ取引に収れんしやすい』との声が聞かれた。

 

ドル/円は、神田財務官や松野官房長官から円安をけん制する発言が伝わり、一時142.94円まで売られた影響が残った。ただ、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出やすく、24時前には143.71円付近まで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値143.73円に迫った。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:ロシアを巡る地政学リスクから買い

NY原油先物市場は68.71ドル‐70.11ドルのレンジ相場となった。ロシアを巡る地政学リスクから需給ひっ迫懸念が高まり、底堅く推移した。アジア市場の序盤で70.11ドルまで買われたが、需要増の思惑後退でじり安となり、ロンドン市場の序盤にかけて68.71ドルまで反落。ただ、米長期金利の低下を受けた買いが入ったこと米国市場の序盤に70.05ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は小幅続伸:米長期金利の伸び悩みから底堅い展開

NY金先物市場は1931.10‐1943.40ドルのレンジ相場となった。ロシア民間軍事会社ワグネルの創始者プリゴジンが週末に武装反乱を起こしたことで地政学リスクが高まり、安全資産との金が買われた。半面、情勢の緊迫化は続いているものの、反乱は1日で頓挫したこともあり一段高ともならなかった。ロンドン市場で1943.40ドルまで買われた後、米国市場の序盤にかけて1931.10ドルまで売られたが、米長期金利が伸び悩んだことから、1938.50ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では主に1933ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米国株安からリスク回避の債券買い

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.74%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い3.72%で終了した。株価の下落を背景に相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったものの、米金融引き締めが長期化するとの観測も根強く、上値は限定的だった。

 

株式のポジショニングが拡大:JPモルガンの顧客調査

JPモルガンが毎週行っている顧客調査によると、現在の株式のポジショニングについて、過去と比べて70~80パーセンタイルにあると答えた比率が23%で最も多かった。次点は30~40パーセンタイル、40~50パーセンタイル、50~60パーセンタイルの15%が並んだ。前回調査では30~40パーセンタイルと答えた比率が25%と最も多かったことから、株式のポジショニングが相応に拡大した可能性がある。今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は36%となり、前回調査の51%から低下した。全米アクティブ投資協会(NAAIM)が会員の運用会社に米国株の保有状況を聞き取りして算出する「NAAIM持ち高指数」は、21日時点で83.6%と2022年以降のレンジ上限に位置している。

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