FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米追加利上げによる景気後退懸念から売り優勢に

NYダウは219.28ドル安の33727.43ドル、ナスダックは138.09ポイント安の13492.52ポイントで取引を終了しました。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げにより景気後退に陥るとの懸念が再燃し、寄り付き後は下落しました。その後 6月サービス業PMI速報値が予想を上回るなどサービス関連指標が比較的強く懸念が後退し、下げ止まった。ただ、金利が低下したにもかかわらずハイテクも売られ、株式相場は終日軟調に推移した。終盤にかけては、下げ幅を縮小し終了した。VIX指数は12.91から13.44へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日銀の大規模金融緩和継続から円は売られやすい

ドル/円は、米10年債利回りが3.68%台まで低下したことなどを受けて円買い・ドル売りが先行した。ボスティック米アトランタ連銀総裁が年内の利上げ見送りを支持したことも相場の重しとなり、一時142.72円と日通し安値を付けた。ただ、下押しは限定的だった。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に続き、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が『今年あと2回の利上げは非常に妥当な予測』などと発言すると一転円売り・ドル買いが優勢になった。米10年債利回りが3.75%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.87円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。市場では『世界の主要な中央銀行の中で日銀が大規模な金融緩和を続けていることが一段と際立っており、投資家は円を売る姿勢を強めている』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、ユーロ圏の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み予想を下回ると、ユーロ圏景気への懸念が強まり、欧州序盤には一時1.0845ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY市場に入ると下げ渋る展開になった。ユーロ/豪ドルなど一部ユーロクロスの上昇も支えに1.0902ドル付近まで持ち直す場面があった。

 

NY原油先物市場は続落:需要増の思惑後退から売り優勢に

NY原油先物市場は67.35ドル‐69.65ドルのレンジ相場となった。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が追加利上げの可能性を示唆したこともあり、利上げ継続によってエネルギー需要が鈍化するとの思惑が広がった。アジア市場の序盤で69.65ドルまで買われたが、需要増の思惑後退でじり安となり、米国市場の序盤にかけて67.35ドルまで一段安となった。ただ、米長期金利の低下を受けた買いが入ったことで69.34ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:米金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1919.50‐1949.00ドルのレンジ相場となった。米金利が低下したことで金利を生まない金相場に買いが入った。もっとも、対ユーロなどでドルが堅調に推移し、ドル建てで決済される金相場の割高感も意識されたため、一方的に買いが進む動きにはなっていない。アジア市場で1919.50ドルまで売られたが、株安を意識した買いが入ったことで米国市場の序盤にかけて1949.00ドルまで反発した。その後はドル高を意識して伸び悩んだが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に1930ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:世界的な景気悪化への懸念から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.75%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.73%で終了した。この日発表された欧米の6月購買担当者景気指数(PMI)速報値が軒並み下振れたことで、世界的な景気悪化への懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。株価の下落も債券買いを誘った。

 

ドイツ株が5日続落:シーメンス・エナジーが暴落

フランクフルト株式市場でドイツ株価指数(DAX)は5日続落した。前日に比べ158.22ポイント(0.99%)安の1万5829.94で取引を終えた。発電設備などを手掛ける独シーメンス・エナジー株が前日比37%安と暴落した。子会社の風力タービン部門シーメンス・ガメサで品質問題が生じたのをきっかけに、22日の取引終了後にシーメンス・エナジーの2023年9月期通期の利益見通しを取り下げると発表。業績への不透明感が急速に高まった。同社は「潜在的な品質関連対策と関連コストは現在評価中だが、10億ユーロを超える可能性がある」と公表していた。23日発表の6月のドイツ購買担当者景気指数(PMI、速報値)で、製造業が41.0と前月から低下し、3年1カ月ぶりの低水準だった。市場予想も下回った。企業景況感の悪化も相場の重荷だった。エネルギーのほか、自動車やテクノロジーが売られた。

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