FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ハイテク株の買戻しが相場を下支え

NYダウ4.81ドル安の33946.71ドル、ナスダックは128.41ポイント高の13630.61ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2日目の上院銀行委での証言で年内2回の追加利上げが適切になる可能性があると繰り返したため寄り付き後は下落した。ただ、人工知能技術革新への期待感が強く押し目からハイテクの買い戻しが目立ち、ナスダック総合指数はプラス圏に回復し終日堅調に推移した。終盤にかけて上げ幅を拡大した。NYダウもハイテクに支えられ下げ幅を縮小し、まちまちで終了した。VIX指数は13.20から12.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締めの長期化が意識されドル買い

ドル/円は、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが伝わると一時141.78円付近まで売られたものの、下押しは限定的だった。ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事が『インフレ抑制のために追加利上げが必要』『インフレの水準はなお容認できないほど高い』と述べたうえ、パウエルFRB議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』と述べたと伝わると、米金融引き締めが長引くことが改めて意識された。5月米中古住宅販売件数が予想より強い結果となったことも相場の支援材料となり、レジスタンスとして意識されていた2022年11月11日の高値142.48円を上抜けると一時143.23円まで上値を伸ばした。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長がインフレ抑制のために金融引き締めを続ける必要性を改めて強調すると、米金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時1.0949ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:米利上げ観測拡大を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は68.93ドル‐72.65ドルのレンジ相場となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言などを受け、米利上げ観測が拡大。追加利上げが景気減速とエネルギー需要の鈍化を招くとの思惑が広がり、原油相場は売りに押された。ロンドン市場の序盤に72.65ドルまで買われたが、英国の追加利上げを受けて買いは縮小した。供給超過の思惑は後退しているものの、主要中央銀行による金融引き締め策は原油需要の減少を招く要因となることから、米国市場で節目の70ドルを下回った。米長期金利の上昇も嫌気され、一時68.93ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:英国とスイス中銀の追加利上げを意識した売り

NY金先物市場は1922.60‐1945.10ドルのレンジ相場となった。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』などの見解を示したことを受け、金利を生まない金相場には売りが強まった。アジア市場で1945.10ドルまで買われたが、英国、スイスの中央銀行の追加利上げを意識した売りが強まり、米国市場の中盤にかけて1922.60ドルまで下落。その後、1927ドル台に戻したが、米長期金利の上昇を意識して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に1925ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米金融引き締めの長期化を意識した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)4.79%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.79%で終了した。欧州各国で大幅利上げが相次いだほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『今年あと2回の利上げが適切となるだろう』と発言したことで、米金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まった。

 

BOEがタカ派サプライズもターミナル・レートは据え置き:エバコア

イングランド銀行(BOE、英中銀)が22日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を50bp引き上げて5.0%にすると発表した。利上げ幅は市場予想(25bp)を上回った。エバコアISIは22日付のリポートで、『BOEは7対2の賛成多数でインフレ、賃金、雇用に大きな上振れサプライズがあったことを受け、50bp利上げというタカ派的なサプライズを行った』との見解を示した。リポートでは、BOEが今回の決定について、『労働市場のひっ迫と需要の継続的な底堅さを背景に、インフレプロセスがより粘り強く推移していることを示す重要な上振れニュースによるものだ』と述べたことに着目。『より持続的な圧力があるという証拠があれば、さらなる金融引き締めが必要になるだろう』との見解が示されたこともあり、『MPCが国内物価と賃金に関して、インフレの二次的力学(second-round dynamics)を認めたのはこれが初めてだ』と指摘した。その上で、ベイリー総裁らは50bpの利上げから恩恵を受ける戦略を明確にしなければならないとしつつ、BOEのターミナル・レート予想に関しては上振れリスクがあるものの5.5%で据え置いた。

 

ドイツは景気後退が本格化か:US Dashboard

26日に、ドイツの効率研究機関Ifo経済研究所が6月の企業景況感指数を発表する。5月は91.7(4月は93.4)と7カ月ぶりに低下した。6月の市場予想は90.5で、2カ月連続の低下が懸念される。半年後の期待指数も5月は88.6(91.7)で8カ月ぶりに低下した。6月も市場予想は88で、こちらも2カ月連続で落ち込みそうだ。ドイツの景気後退が鮮明になりつつある。同指数は、製造業、小売業など約7000社のドイツ企業に景況感を尋ねた結果をまとめたもの。欧州で最大規模のドイツ経済は、ユーロ圏の景況感にも影響を与える。欧州中央銀行(ECB)は8会合連続で利上げを実施し、7月も継続を示唆している。ユーロ/ドルなど通貨の強弱がどう推移するかも注目である。

 

 

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