FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は3日続落:パウエルFRB議長のタカ派発言で上値の重い展開

NYダウは102.35ドル安の33951.52ドル、ナスダックは165.09ポイント安の13502.20ポイントで終了しました。パウエルFRB議長が半年に一度の金融政策報告に関する議会証言で年内の追加利上げが必要だと再表明したため警戒感から売られ、寄り付き後は下落しました。証言内容が想定通りで、さらに、材料出尽くし感に金利が伸び悩むと下げ幅を縮小し、NYダウは一時プラス圏を回復した。しかし、金利先高観にハイテクが売られ、ナスダック総合指数は終日軟調に推移し相場全体を圧迫した。結局、主要株式指数は下落で終了した。VIX指数は13.88から13.20へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル買い一巡後は上値の重い展開に

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が公表したパウエルFRB議長の議会証言の事前原稿では、『インフレとの戦いにはまだ長い道のり』『今月は利上げ休止を決定したものの、FRB当局者は金利はまだ上昇する必要があるとの見解で一致している』と伝わった。米金融引き締めの長期化観測が高まると米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時142.36円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を付けた。ただ、買い一巡後は上値が重くなった。パウエルFRB議長が質疑応答で『利上げの初期段階ではスピードが重要だったが、現在はそれほど重要ではない』『より緩やかなペースで金利を引き上げるのが合理的かもしれない』などと述べたことが相場の重しとなり、一時141.68円付近まで下押しした。2022年11月11日の高値142.48円がレジスタンスとして意識された面もあった。

 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長の米下院金融サービス委員会での議会証言が始まると、全般ドル売りが活発化した。前日の高値1.0946ドルを上抜けて一時1.0991ドルと5月11日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.02まで低下した。

 

NY原油先物市場は上昇:石油需要増加期待の高まりから買い優勢に

NY原油先物市場は70.80ドルー2.72ドルのレンジ相場となった。米国でトウモロコシや大豆などの穀物価格が急上昇するなか、世界的な作物不足がバイオ燃料の混合率を低下させるとの思惑が浮上した。石油需要が増加するとの期待から買いが入った。アジア市場の序盤に70.80ドルまで売られたが、自律反発を狙った買いが入ったことや供給超過の思惑は後退したことで米国市場の後半にかけて72.72ドルまで反発した。株安を嫌気した売りは拡大せず、通常取引終了後の時間外取引でも72ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:金融引き締めの長期化観測を嫌気

NY金先物市場は1929.30‐1950.40ドルのレンジ相場となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の証言原稿で金融引き締めの長期化観測が高まると、為替市場ではドル買いが強まり、ドル建てで決済される金相場の割高感が意識された。アジア市場で1950.40ドルまで買われたが、金利高を警戒した売りが次第に強まり、米国市場の中盤にかけて1929.30ドルまで下落した。ただ、米長期金利が上げ渋ったことや株安を意識して通常取引終了後の時間外取引で1948.80ドルまで戻している。

 

米国債券市場はまちまち:売り先行後は米国株安を意識した買いが優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.71%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず3.72%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米利上げが長期化するとの観測が改めて広がると売りが先行した。ただ、米国株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入り持ち直した。20年債入札が『好調』と受け止められたことも相場の支援材料。

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