FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:世界経済減速懸念から売り優勢に

NYダウは245.25ドル安の34053.87ドル、ナスダックは22.28ポイント安の13667.29ポイントで取引を終了した。予想を上回った5月住宅着工件数を受け連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利上げ再開懸念に寄り付き後は下落した。中国人民銀が回復が遅れている景気を刺激するため利下げに踏み切ったため世界経済減速懸念も売り材料となり相場を一段と押し下げた。また、今週予定されているパウエルFRB議長の半年に一度の金融政策報告に関する議会証言を控えた調整的な売りも目立ち終日軟調に推移して終了した。VIX指数は13.54から13.88へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下によるドル売りやや優勢

ドル/円は、5月米住宅着工件数や5月米建設許可件数が予想を上回ったことが伝わると141.75円付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ったほか、米国株安に伴うクロス円の下落につれた売りが出て一時141.21円と日通し安値を更新した。市場では『明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米下院金融サービス委員会での議会証言を前に、ポジション調整目的の売りが出た』との声も聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、欧州債利回りの低下などを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行した。米国株相場の下落を背景にリスク回避のドル買いも入り一時1.0893ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると1.0919ドル付近まで下げ渋った。

 

オセアニア通貨は軟調だった。NYダウが一時380ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル/米ドルは0.6753米ドル、NZドル/米ドルは0.6134米ドルまで値を下げたほか、豪ドル/円は95.57円、NZドル/円は86.86円と日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:需要の減速懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は69.76ドル‐72.38ドルのレンジ相場となった。中国石油天然気集団が今年の同国石油需要予想を下方修正したことを受け、エネルギー需要の減速懸念を手掛かりにした売りが先行した。また、この日発表された中国の金利引き下げ幅が不十分との見方も失望売りを誘った面があった。ロンドン市場の序盤にかけて72.38ドルまで買われたが、中国の需要増加への期待は後退し、米国市場の前半に69.76ドルまで反落。株安も嫌気された。ただ、押し目買いも入っており、通常取引終了後の時間外取引で71.39ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反落:利食い売りが優勢に

NY金先物市場は1940.80‐1968.70ドルのレンジ相場となった。この日発表された米住宅指標が予想より強い結果となり、米利上げの継続観測が高まったことで金利を生まない金相場は売りに押された。アジア市場の終盤にかけて1968.70ドルまで買われたが、米国金利の先高観は後退せず、ユーロ高は一服したことから米国市場の序盤に1940.80ドルまで下落した。利食い売りが優勢となった。ただ、その後は、株安を意識して1950.40ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1948ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:景気悪化への警戒から買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)4.70%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い3.72%で終了した。米金融引き締め長期化による景気悪化への警戒や中国景気の先行き不安を背景に米国株相場が下落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

 

米国務長官が訪中も反感の兆候も:ユーラシア

ブリンケン米国務長官が18~20日にかけて中国を訪問し、習近平国家主席らと会談した。ユーラシア・グループは20日付のリポートで、「双方の公式メッセージは、より大きな二国間の安定を求めるという共通の願望を強調した。ただ外交が改善されたからといって、同様に関係が良くなることを保証するものではない」との見解を示した。リポートでは、ブリンケン氏が飛行機から降りた時点で外交辞令を逸脱した対応があったと指摘した。中国政府が赤い絨毯を敷かず、むき出しの舗装路で出迎えたことについて「当初から反感の兆候がみられた」という。習近平氏との35分間の会談はわずか1時間前に発表された。同社としては米中の関係が管理された状態で悪い状態が続く確率を60%と予想し、関係が大幅に悪化するテールリスクの確率は35%と見込み、関係改善の可能性は5%と予想した。また、2024年の米大統領選挙が近付づくにつれ、中国に関して米各党は中国に対してより厳しい立場を取るだろうとも見込んでいる。

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