FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米FRB要人によるタカ派発言を嫌気した売り

NYダウは108.94ドル安の34299.12ドル、ナスダックは93.25ポイント安の13689.57ポイントで取引を終了した。昨日からの流れを受け、利上げサイクル終了を期待した買いが続き寄り付き後は上昇した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)の数人の高官がインフレが高過ぎるとし、追加利上げの必要性を繰り返したため長期金利の上昇を警戒した売りが再開し、株式相場は下落に転じた。本日は大口の先物やオプションが期日を迎えたためテクニカルな売買が終日台頭したほか、連休を控えた手仕舞い売りが終盤にかけて加速し下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は14.50から13.54へ低下した。

 

NY外国為替市場:FRB要人によるタカ派発言でドル買い優勢に

ドル/円は、日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策の維持を決めたほか、植田和男日銀総裁が会見で『2%物価安定目標の達成にはなお時間がかかる』『経済情勢などに応じ、機動的に対応しつつ粘り強く緩和継続』と述べ、金融緩和を継続していく考えを示したため、NY市場に入っても円安の流れが継続した。米ミシガン大学が発表した6月消費者態度指数(速報値)が63.9と予想の60.0を上回ったことや、米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を手掛かりにドル買いも進み、一時141.92円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。なお、ウォラーFRB理事は『インフレ低下に向けた進展は遅く、幾分の追加引き締めが必要となる可能性』と述べたほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁は『インフレ鈍化がなければ、さらなる利上げを容認』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を見込んだユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0971ドルと5月11日以来約1カ月ぶりの高値を付けたものの、予想を上回る米消費者信頼感指数をきっかけに米長期金利が上昇すると一転下落し1.0918ドルと日通し安値を付けた。もっとも、引けにかけては下げ渋った。ユーロ/円の上昇につれた買いなどが入り、1.0946ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。

 

NY原油先物市場は続伸:駐豪でのエネルギー需要高まり買い優勢に

NY原油先物市場は70.18ドルー2.03ドルのレンジ相場となった。昨日、中国で原油需要の根強さを示す指標が発表となったほか、中国政府が大規模な景気浮揚策を検討しているとの観測が、エネルギー需要が高まるとの見方につながり買いを誘った。ロンドン市場で70.18ドルまで売られたが、ユーロ高が続いており、通常取引終了後の時間外取引で72.03ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は3日続伸:利食い売りから上値の重い展開

NY金先物市場は1965.40‐1980.40ドルのレンジ相場となった。米現地14日結果公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)において追加利上げの可能性が示唆された一方、追加利上げに関して懐疑的な見方もあり、米金利やドル相場はやや不安定に振れる状態だった。金利や為替の動向に影響を受けやすい金相場は方向感が定まらず小幅高で週の取引を終えた。米国市場の序盤にかけて1980.40ドルまで買われたが、欧米金利の先高観は後退せず、利食い売りが優勢となった。一時1965.40ドルまで下落したが、米長期金利の伸び悩みを受けて1974.20ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1970ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米FRB要人によるタカ派発言受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)4.72%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.76%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を受けて、米金融引き締めの長期化観測が高まると債券売りが広がった。

 

米為替報告書で監視リストから日本除外 

米財務省は16日、半期ごとの外国為替政策報告書を公表した。為替操作をしていないかを緊密に注視する『監視リスト』から日本を除外した。2015年の法改正でリストが設けられて以降、初となる。対象期間となった2022年に円安や資源高で経常黒字が縮小したため、形式的な基準に該当しなくなった。米財務省は米国の貿易相手国が自分に有利な為替操作をしていないかどうかを分析し、米連邦議会に報告している。「為替操作国」と認定する条件は、米国に対する貿易黒字が一定額を超えたかどうか、モノやサービスの海外との取引状況を映す経常収支が国内総生産(GDP)比3%以上などの条件を満たすか、持続的で一方的な為替介入を実施しているか、の3点だ。
 このうちの2つに抵触すると、少なくとも2半期は監視リストに入る。日本はリストが最初に作られた16年から対象に入り、22年6月の報告書の時点でも貿易黒字と経常黒字の条件で該当していた。

今回の為替報告書は、『為替操作国』の認定はなかった。監視リストには中国、韓国、ドイツ、マレーシア、シンガポール、スイス、台湾を入れた。なかでも為替介入の実績を公表していない中国に対しては透明性を高めるよう改めて注文を付けた。

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