FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米利上げ休止期待から買い優勢に

NYダウは145.79ドル高の34212.12ドル、ナスダックは111.40ポイント高の13573.32ポイントで取引を終了した。5月消費者物価指数(CPI)の改善で6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ休止期待が一段と強まり寄り付き後は上昇した。中国が景気刺激策を検討しているとの報道も投資家心理の改善に繋がり、株式相場は一段高となった。終日堅調に推移し終了した。VIX指数は15.01から14.61へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が反転上昇したことでドル買い優勢に

ドル/円は、5月米消費者物価指数(CPI)が前年比4.0%上昇と予想の4.1%上昇を下回り、2021年3月以来の低水準を記録すると、インフレの過熱感が緩和したとの見方が広がった。13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが一時停止されるとの観測がさらに高まり円買い・ドル売りで反応し、一時139.01円と日通し安値を更新した。ただ、節目の139.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になり、一時は3.67%台まで低下した米10年債利回りが3.84%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、140.31円と日通し高値を更新した。『米連邦準備理事会(FRB)は7月のFOMCで追加利上げに踏み切る』との観測も根強い。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、7月FOMCでの追加利上げを予想する確率は60%を超えている。

 

ユーロ/ドルは、14日のFOMCでは金利が据え置かれる一方、15日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会では追加利上げが見込まれており、欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが進んだ。5月米CPIの下振れを受けて一時1.0824ドルと5月22日以来の高値を更新した。ただ、米長期金利が上昇に転じると1.07ドル台後半まで上げ幅を縮めた。

 

ポンド/円は一時176.87円と16年1月以来7年5カ月ぶりの高値を付けた。英統計局が発表した4月の平均賃金(3カ月移動平均)の伸び率が5カ月ぶりの高さまで拡大し、予想を上回ったことが伝わると、英中銀(BOE)が金融引き締めを加速するとの見方が広がりポンド買いを誘った。

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに反発:株高を意識した買いが優勢

NY原油先物市場は67.15ドル‐9.83ドルのレンジ相場となった。前日は前週末の予想以上にマイナス幅を大きかった5月中国生産者物価指数(PPI)の示唆する同国製造業に対する弱い見方を引きずっていた部分があった。本日は中国政府が利下げや不動産支援策などを含む包括的な景気刺激策を検討していると伝わり、大きく売り込まれた昨日までの3営業日続落した動きに対する巻き戻しが強まった。アジア市場の序盤に67.15ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことでじり高となり、米国市場の中盤にかけて69.83ドルまで一段安となった。その後は、米長期金利の上昇を意識して上げ渋ったが、需給緩和の思惑はやや後退し、通常取引終了後の時間外取引では69ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は3営業日続落:株高と米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1953.00-1985.90ドルのレンジ相場となった。米2年債利回りが3月10日以来、3カ月ぶり以上となる水準4.64%台、同10年債利回りも3.79%台へ上昇した。米金利上昇が金利のつかない資産である金の上値を重くする状況が続いた。NYダウが6営業日続伸、ナスダック総合とS&P500が年初来高値を更新しつつ4営業日続伸となるなど米主要3株価指数が堅調に推移したことも、安産資産とされる金を買う動きを滞らせた。米国市場の序盤にかけて1985.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇や株高を受けて反落した。通常取引終了後の時間外取引で1953.00ドルまで値を下げた。

 

米国債券市場は下落:米7月利上げ再開の観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い0.08%高い3.82%で終了した。5月米消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化が示されると債券買いが先行したものの、買い一巡後は一転売りが優勢となった。『米連邦準備理事会(FRB)は7月には利上げを再開する』との観測が根強く、債券売りを誘った。米国株相場の上昇も相場の重しになった。

 

Fedウオッチ6月は据え置きで7月までの利上げ確率は6割超:US Dashboard

米連邦準備理事会(FRB)が14日(日本時間15日)に結果を発表する米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を現行の5.00-5.25%で据え置くとみられている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」では、据え置きの確率9割強となっている。7月までに利上げを決める確率は6割を超えるが、さらなる利上げを見込んでいない。今回のFOMCではメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。2,023年末の政策金利5.25‐5.50%(0.25%の利上げ)以外の場合、市場は相応に反応しそうだ。

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