FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は小幅反発:相場材料乏しく方向感出ず

NYダウは10.42ドル高の33573.28ドル、ナスダックは46.99ポイント高の13276.42ポイントで取引を終了した。相場を動かす材料が乏しい中、寄り付き後は下落した。来週に連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見姿勢が広がった。製薬会社のメルクや管理医療会社のユナイテッド・ヘルスなどのディフェンシブ銘柄を中心に売りが出た一方、景気敏感株やこれまで売られていた地銀株などに買いが入り、相場を支えた。NYダウは一時、100ドル超下げたが取引終盤にかけてプラス圏に浮上、ナスダックは概ねプラス圏での推移となった。VIX指数は14.73から13.96へ低下した。

 

NY外国為替市場:新規材料難から積極的な売買は手控えられる

ドル/円は、日経平均先物の上昇につれた買いが入ったほか、米金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出て、一時139.99円と日通し高値を付けた。ただ、節目の140.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため、139.58円付近まで押し戻された。もっとも、NY午後に入ると次第に値動きが鈍った。主要な米経済指標の発表がなく新規材料難となる中、来週の5月米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを控えて、積極的な商いは手控えられた。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)が発表した4月のユーロ圏消費者予測調査で、1年先と3年先のインフレ期待がいずれも前月から低下したことが分かるとユーロ売りが優勢となった。米金利の上昇に伴うドル買いも入り、一時1.0667ドルと日通し安値を付けた。ただ、1日の安値1.0662ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが入り1.0698ドル付近まで下げ幅を縮めた。ECBの利上げ継続観測が引き続き根強いことも相場を下支えした。

 

豪ドル/円はしっかり。豪準備銀行(RBA)のサプライズ利上げを受けて、欧米市場でも堅調地合いが続き、一時93.26円と昨年12月以来約半年ぶりの高値を更新した。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:原油需要の大幅増加見込めず売り優勢

NY原油先物市場は70.13ドル‐72.33ドルのレンジ相場となった。週末に行われた石油輸出国機構(OPEC)プラスでの協調減産延長にもかかわらず昨日は上げ幅が限られたことで、原油先物は一時70ドル前半まで弱含んだ。しかしながら、欧州株がプラスに転じたことなどもあり、徐々に下げ幅を縮めて引けた。OPECプラスによる協調減産体制は存続するものの、原油需要の大幅な増加は期待できないことから、さえない動きとなった。アジア市場の終盤にかけて70.13ドルまで売られた後、米国市場の後半にかけて72.33ドルまで反発した。ただ、買い戻し一巡後は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:方向感なく上下に振れる展開

NY金先物市場は1970.30-1982.90ドルのレンジ相場となった。主だった米経済指標の発表もなかったことで、前日終値近辺で方向感なく上下した。米金利がやや上昇したことで、金先物の上値は抑えられたものの、ウクライナでのダム決壊など地政学リスクの高まりや、昨日発表された米経済指標が予想を下振れたことが下値を支えた。米国市場の序盤にかけて1982.90ドルまで買われたが、ドルが底堅い動きを見せたことから、1970.30ドルまで反落した。その後、1982.30ドルまで反発したが、通常取引終了後の時間外取引では主に1980を下回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米重要イベント控え方向感出ず

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは下落)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.49%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)3.66%で終了した。主要な米経済指標の発表がなく新規材料難となる中、来週の5月米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを控えて、大きな方向感は出なかった。

 

NY連銀GSCPIはさらに低下で世界的なサプライチェーン問題はほぼ解消

6日に米NY連邦準備銀行が発表した5月のグローバル・サプライチェーン・プレッシャー・インデックス(GSCPI)はマイナス1.71と下方修正された4月改定値のマイナス1.35からさらに低下した。新型コロナウイルスの感染拡大で分断されたサプライチェーン(供給網)が経済再開でさらに混乱を極め、2021年12月には4.32まで大きく上昇していた。しかし、同水準をピークに混乱は解消に向かった。2月にはマイナスとなり、マイナス幅の拡大が続いている。世界的なサプライチェーン問題はほぼ解消したといって良さそう。

 

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