FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:大幅高の後の利益確定売りが優勢に

NYダウは199.90ドル安の33562.86ドル、ナスダックは11.34ポイント安の13229.43ポイントで取引を終了した。債務上限問題が解決したことによる安心感や6月は利上げが見送られるとの見方が相場の支えとなった一方、先週末の大幅上昇を受けた利益確定の売りが広がり、寄り付き後は一進一退となった。5月ISM非製造業景況指数が悪化したことや米当局が大手米銀の資本要件を平均20%引き上げることを検討していると報じられ、軟調に推移した大手銀が相場の重石となった。VIX指数は14.60から14.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:低調な米経済指標受けドル売り優勢に

ドル/円は、5月米サービス部門PMI改定値が54.9と予想の55.1を若干下回ったほか、5月米ISM非製造業指数が50.3と予想の52.2より弱い内容だったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。オセアニア時間の安値139.91円を下抜けて一時139.25円まで値を下げた。米10年債利回りは3.75%台から3.65%台まで急低下した。ただ、米10年債利回りが上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入り、139.82円付近まで下げ渋る場面があった。

 

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標が相次いだことで全般ドル売りが先行した。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が『物価圧力は依然として強い』と述べたほか、ナーゲル独連銀総裁が『基調的なインフレ圧力はあまりに高すぎる』『まだ数回の利上げが必要』などと発言するとユーロ買いが優勢となり、一時1.0722ドルまで値を上げた。ただ、そのあとは1.07ドル台前半で値動きが鈍った。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは軟調だった。対ドルでは一時2万5415ドル前後まで下落したほか、対円では355万円台まで売られた。米証券取引委員会(SEC)が大手仮想通貨取引所であるバイナンスと同社のチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)ら経営陣を提訴したことが嫌気された。

 

NY原油先物市場は3日続伸:利食い売りから上げ幅を縮小

NY原油先物市場は71.77ドル―5.06ドルのレンジ相場となった。週末に行われた石油輸出国機構(OPEC)プラスでは来年まで協調減産が延長されたことで、時間外の原油先物価格は大きく窓を開けて75ドル台まで上昇した。欧米参入後は、今月に入り上げ幅が大きかったこともあり、利食いの売りも入り、上げ幅を縮めて引けている。主な産油国でつくる「OPECプラス」は4日、現行の協調減産の枠組みを来年末まで延長することで合意し、サウジアラビアは市場予想を上回る規模の減産実施を発表したことから、アジア市場の序盤に75.06ドルまで買われた。ただ、世界経済の減速による石油需要の減少も予想されてることから、利食い売りも観測されており、アジア市場で72ドル台前半まで反落した。米国市場の序盤にかけて73ドル台後半まで反発したが、株安を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で71.77ドルまで売られている。

 

NY金先物市場は反発:米金利低下とドル安から買い優勢に

NY金先物市場は1953.80‐1980.40ドルのレンジ相場となった。本日発表された複数の米経済指標が市場予想より下回ると、米金利が低下し、ドルも売られた流れを受けて金先物価格は反発した。一時、先週末の雇用統計前の水準をほぼ取り戻す水準まで上げ幅を広げる場面もあった。米国市場の序盤にかけて1953.80ドルまで売られたが、ドル高が一服したことや株安を意識した買いが入っており、反転した。通常取引終了後の時間外取引で1980.40ドルまで買われた。

 

米国債券市場は反発:低調な米経済指標受け買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)4.45%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い3.68%で終了した。前週末発表の5月米雇用統計を受けて米金融引き締めの長期化観測が高まる中、この日も債券売りが先行した。ただ、5月米ISM非製造業指数が予想を下回ったことが伝わると買い戻しが優勢となり持ち直した。

 

Fedウオッチでは6月金利据え置き確率は8割:US Dashboard

米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した5月の米非製造業景況感指数は50.3と、2022年12月分以来5カ月ぶりの低水準となった。好不況の分かれ目となる50をかろうじて上回ったが、市場予想52.0を下回った。項目別では新規受注や雇用などが低下した。支払価格は3年ぶりの低水準となった。インフレ圧力が鈍化しているとの見方から、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの観測が一段と強まった。米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」における政策金利据え置きの確率は8割を超えた。

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