FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米国のデフォルト回避を好感した買い優勢

NYダウは701.19ドル高の33762.76ドル、ナスダックは139.78ポイント高の13240.77ポイントで取引を終了した。債務上限を停止させる『財政責任法案』が上院でも可決、アメリカのデフォルトが回避されたことで安心感が広がり、寄り付きは上昇した。5月雇用統計の強弱入り混じる内容が連邦準備制度理事会(FRB)が今月半ばに控える連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを見送るのではとの見方につながり、相場を一段と押し上げた。景気敏感株の上げが目立ち、NYダウの上昇幅は700ドルを超えた。主要株式指数は、週を通じて上昇した。VIX指数は15.65から14.60へ低下した。

 

NY外国為替市場:米中長期金利上昇と株高からドル買い優勢に

ドル/円は、5月米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が33.9万人増と市場予想の19.0万人増を大きく上回ったことが伝わると米・中長期金利の上昇とともに買いが優勢になった。上下に大きく振れながらも金利が一段と上昇したうえ、NYダウが740ドル超の大幅上昇を見せると上値を試す展開となり、一時140.07円まで上げ幅を拡大した。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを予想する確率が前日の45%付近から52%付近まで上昇。また、0.50%の利上げを予想する確率も前日の8%付近から20%前後まで上昇した。

 

ユーロ/ドルは、米雇用統計後に全般ドル高が進んだ流れに沿って下落した。一時1.0705ドルまで下押しした。また、ポンド/ドルは1.2442ドル、ドル/スイスフランは0.9092フランまでドル高に振れた。

 

NY原油先物市場は続伸:全般リスク選好の動きから買い優勢に

NY原油先物市場は70.00ドル⁻2.17ドルのレンジ相場となった。米国のデフォルト(債務不履行)回避が確実となり、全般リスク志向ムードが高まるなかリスク資産の原油にも資金が向かった。一時72.10ドル台まで上値を伸ばしている。4日の石油輸出国機構(OPEC)プラス・閣僚級会合について、一部通信社が追加減産の可能性は低いと報じたようだが、会合前には売り持ちは手仕舞いたい向きが多かった。アジア市場の序盤に70.00ドルまで売られたが、米債務上限停止法案が議会を通過し、債務不履行が回避されたことを受けて買い戻しが入った。この日発表された5月米雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったが、平均時給の伸び率は鈍化しており、6月利上げの可能性は低いことも原油先物の上昇を促した。米国市場の中盤にかけて72.17ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は5日ぶりに反落:米中長期債金利上昇を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1963.70‐2000.50ドルのレンジ相場となった。5月米雇用統計の発表後に米・中長期債利回りが大きく上昇すると、金利が付かない金の魅力が相対的に低下し売り優勢となった。為替でドル高が進行したこともドル建ての金に割高感を生じさせ、下押し圧力につながった。アジア市場で2000.50ドルまで買われたが、米雇用統計発表後に米国株式と米長期金利は上昇したことから、金先物の売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引で1963.70ドルまで下落した。

 

米国債券市場は反落:持ち高調整売り強まり売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは犯r買う(利回りは下落)した。米2年債利回りは前営業日比0.17%高い(価格は下落)4.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い3.70%で終了した。5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことを背景に米金融引き締めの長期化観測が広がり、債券売りが活発化した。足元で相場上昇が進んでいたうえ、週末とあって持ち高調整の売りも重なった。

 

米VIX指数が3年ぶりの低水準に

市場心理を測る指標とされる米株の予想変動率を示すVIX指数が2日、大幅に低下した。前日比1.05ポイント低い14.60と2020年2月依頼およそ3年3ヵ月ぶりの低水準を付けた。新型コロナウイルスの感染拡大初期にVIXが急上昇して以降で最も低い。米上院が1日に政府の債務上限の効力を停止する法案を可決し、米国のデフォルト(債務不履行)が回避された。米国株相場の先行き不安が後退し、VIXの低下につながった。

 

7月FOMCでの0.25%利上げ確率は52%近辺まで上昇

シカゴ・マーカンタイル取引所グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを予想する確率が52%付近まで上昇した。前日は45%付近だった。また、0.50%の利上げを予想する確率も前日の8%付近から20%前後まで上昇している。

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