FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米債務不履行回避への期待と成長底堅く買い優勢に

NYダウは328.69ドル高の33093.34ドル、ナスダックは277.59ポイント高の12975.69ポイントで終了した。マッカーシー下院議長が交渉に進展があったと明らかにしたため妥結期待に買われ、寄り付き後は上昇した。債務不履行回避への期待に加え成長も底堅く、投資家心理が改善しさらに買われた。また、追加利上げ確率の上昇にもかかわらずハイテクでは人工知能技術革命を期待した買いが続き、相場をさらに押し上げた。主要株式相場は終日堅調に推移し、終盤にかけ上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は19.14から17.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締め長期化観測からドル買い

ドル/円は、4月米個人消費支出(PCE)やPCEデフレーター、4月米耐久財受注額、5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値など、この日発表の米経済指標が軒並み予想より強い内容だったことが分かると、米金融引き締め長期化観測が高まり円売り・ドル買いが先行した。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景にリスク選好の円売りも出て、一時140.73円と昨年11月23日以来約半年ぶりの高値を付けた。なお、米債務上限を巡る協議が進展しているとの期待からNYダウは一時400ドル近く上昇した。また、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比600円高の3万1560円まで買われる場面があった。

 

ユーロ/ドルは、4月米PCE物価指数が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まるとユーロ売り・ドル買いが先行した。米10年債利回りが3.8566%前後と3月10日以来の高水準を記録したことも相場の重しとなり、一時1.0702ドルと3月20日以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。米債券市場がメモリアルデーの前営業日で短縮取引となる中、米10年債利回りが低下に転じたことが買い戻しを誘った。

 

NY原油先物市場は反発:追加減産の可能性が意識され買い優勢に

NY原油先物市場は71.49ドル‐73.05ドルのレンジ相場となった。。来月4日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合で追加減産の可能性をめぐり思惑が交錯し、神経質な動きが続いているが、この日は需給面での需給逼迫で追加減産の可能性が意識され反発して取引を終えた。米株が大幅高となり、投資家のリスク選好志向の高まりも、リスク資産とされる原油の買いを後押した。アジア市場で71.49ドルまで下げたが、米債務上限引き上げを巡る協議進展を期待して73.05ドルまで買われた。米株高も意識された。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移した。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:連休前のポジション調整的な買い

NY金先物市場は1936.00‐1957.10ドルのレンジ相場となった。短縮取引の米債券市場で長期金利が低下し、前日まで4日続落した金は安値拾いの買いは入り、わずかに反発して取引を終えたが、予想比上振れの米4月PCEデータを受けて米金融引き締め長期化思惑が強まり、上値は重かった。アジア市場で1936.00ドルまで下落したが、ロンドン市場の序盤にかけて1957.10ドルまで反発した。その後は上げ渋り、米国市場の前半に1938.70ドルまで売られた。しかしながら、連休前のポジション調整的な買いが入ったことで下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では主に1945ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:連休前のポジション調整的な売買が中心

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.56%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は上昇)3.80%で終了した。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで売りが先行。利回りは一時3.8566%前後と3月10日以来の高水準を更新した。ただ、メモリアルデーの前営業日で短縮取引となる中、引けにかけてはポジション調整目的の買いが優勢となり上げに転じた。

 

米財務長官は債務上限「Xデー」は6月5日に1日から後ずれ

イエレン米財務長官が26日付の野党・共和党のマッカーシー下院議長ら米議官の指導部に宛てた書簡で、米議会が6月5日までに連邦政府の債務上限を引き上げたり停止したりしなかった場合、米政府が債務不履行(デフォルト)い陥る可能性があると指摘した。政府の資金繰りの最新の推計を反映するとともに、追加的な特別措置をとった結果だという。これまでは資金繰りが行き詰まる「Xデー」は早ければ6月1日になるとしていた。現行の債務上限には1月に到達していた。その後は、欧的年金への資金拠出を止めるなど特別な措置を講じることで、資金を捻出してきた。書簡では、追加の措置を講じることで、新たな資金を確保したことを明らかにした。6月1~2日には社会保障費を含め1300億ドル以上の支払いがあり、資金繰りが困難になるとしていた。新たな措置に伴い、Xデーを後ずれさせたものの、6月5日の週には920億ドルの支出が見込まれ、これ以上の延長は難しいとの見方も示した。

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