FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米長期金利の上昇を嫌気した売り優勢

NYダウは180.43ドル安の26447.05、ナスダックは91.06ポイント安の7788.45で取引を終了した。朝方は、9月雇用統計で非農業部門誇張者数が前月比13.4万人増と市場予想を大きく下振れ、平均時給の伸びも鈍化したことから、利上げペースの後退が意識されて小動きとなった。その後、雇用統計の内容がハリケーンの影響を受けていることや、失業率の改善が約49年ぶりの低水準にあり、12月利上げ見通しに変化はないとの見方が広がると、米長期金利の上昇にともなって大きく下落し、一時320ドル超を超えた。VIX指数は14.22から14.88へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株大幅下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、米9月雇用統計で失業率が3.7%と予想の3.8%より良好な内容となり、48年9カ月ぶりの水準に改善すると円売り・ドル買いが先行し一時114.08円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値114.10円の上抜けに失敗すると失速した。非農業部門雇用者数変化が13.4万人増と予想の18.5万人増を下回ったことも相場の重しとなった。なお、雇用者数は過去2カ月分の数値が上方修正されたほか、平均時給は前月比・前年同月比ともに市場予想通りの結果となった。
 米雇用統計は強弱入り混じる内容だったが、米長期金利は一時3.2460%と2011年5月12日以来の高水準を付けた。米金利上昇を嫌気する格好でNYダウが一時320ドル超下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。ユーロ/ドルは、米雇用統計が強弱入り混じる内容となったため売買が交錯した。一時1.1484ドルと日通し安値を付けたものの、その後は1.1549ドルまで値を上げた。ポンド/ドルの上昇につれた買いが入る一方、米金利上昇に伴う売りが出たため方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は小幅反発:供給減少への不安根強い

NY原油先物市場は、前日に大幅下落した地合いを引き継ぎ、利益確定売り方向で週末の調整が先行したほか、引き続き世界的な金利上昇による世界経済の成長鈍化見通しが上値を抑制した。しかし、米国によるイラン制裁を背景とした供給減少への不安は根強く下げ渋った。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週末比2基減少の861基となった。

 

NY金先物市場は反発:米国株安でリスク回避の金買い優勢

英国の合意なきEU離脱が回避できるとの期待でポンドが上昇したほか、米雇用統計後に金利引き上げが緩やかなペースにとどまるとの見方から、ドル売りが先行する場面があった。ドル建て相場に割安感が生じ、金の下値を支えた。その後、米長期金利が上昇を強めてドルは総じて持ち直したが、金利上昇が米株価を圧迫。リスク回避で安全資産とされる金は底堅く推移した。債券市場の反応と反対に買われる展開となった。米商品先物取引委員会(CFTC)が5日発表した2日時点の建玉報告によると、ニューヨーク商品取引所(COMEX)で投機筋(非商業部門)による金先物の持ち高は8週続けて売り越しだった。売越幅は前週比4174枚多い2万1822枚。2001年5月以来約17年5カ月ぶりの売越幅となる。

 

米国債券市場は下落:米雇用統計が総合的に良好な結果で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.05%高い(価格は下落)3.23%で終了した。一時3.2460%前後と2011年5月12日以来7年5ヵ月ぶりの高水準を付けた。米9月雇用統計では失業率が48年9カ月ぶりの水準に改善。非農業部門雇用者数の増加幅は予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正され、注目された平均時給は市場予想に一致した。総合すると「良好な内容」となり、長期債の売りを誘った。なお、週明け8日はコロンブスデーの祝日で債券市場は休場となる。

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