FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:半導体関連株が株価指数を押し上げ

NYダウは35.27ドル安の32764.65ドル、ナスダックは213.93ポイント高の12698.09ポイントで終了した。債務上限交渉が難航し、一部格付け会社が国の格付け引き下げの可能性も示唆したため寄り付き後は下落した。交渉に引き続き進展なく、債務不履行懸念の売りも続きNYダウは一段安となった。さらに、1-3月期国内総生産(GDP)改定値や雇用関連指標が予想を上振れ追加利上げが織り込まれたこともさらなる売り圧力となった。一方で、ナスダックは昨日引け後に発表された半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の強い決算を受けて終日堅調に推移し、まちまちで終了した。VIX指数は20.03から19.14へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、米10年債利回りが3.72%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行し、139.19円付近まで下押しした。ただ、その後発表された1-3月期米国内総生産(GDP)改定値や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると一転円売り・ドル買いが優勢になった。米10年債利回りが3.8251%前後と3月10日以来の高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時140.23円と昨年11月23日以来約半年ぶりの高値を更新した。なお、金利スワップ市場では7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までの2会合で0.25%の追加利上げが実施されることを完全に織り込んだ。

 

ユーロ/ドルは、市場予想を下回る独経済指標の発表が続き、ユーロ圏景気の先行き不透明感を警戒したユーロ売り・ドル買いが出た。FRBの金融引き締め長期化観測を背景に全般ドル買いが進むと、一時1.0707ドルと3月21日以来約2カ月ぶりの安値を付けた。その後の戻りも1.0733ドル付近にとどまった。

 

南アフリカランドは下落した。南ア準備銀行(SARB)はこの日、政策金利を現行の7.75%から8.25%に引き上げることを決めたと発表した。市場予想通りの結果となった。ただ、声明で『ランドは一段安になる公算が大きい』との見解が示されるとランド売りが優勢になった。対ドルでは一時19.8468ランドと史上最安値を付けた。対円では7.06円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:追加減産思惑後退で売り優勢に

NY原油先物市場は70.98ドル‐74.37ドルのレンジ相場となった。来月4日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合での追加減産表明への警戒感で昨日まで3日続伸したが、この日は追加減産思惑が後退し売りに押された。ロシアのノバク副首相が6月『OPECプラス』で『新たな措置を取るとは想定しない』と発言し、ロシアは追加減産を重要視しないとの思惑が強まった。アジア市場で74.37ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の高止まりを嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて70.98ドルまで売られた。ただ、将来的な需給ひっ迫の思惑は残されており、通常取引終了後の時間外取引では売りは一巡し、主に71ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1939.00‐1965.40ドルのレンジ相場となった。米1-3月期GDP改定値の上方修正など、米経済指標の良好な結果も支えに米長期金利は一段と上昇し、金利を生まない金は売りが継続した。為替市場でドル高の流れが続いていることも、ドル建ての金の売りを後押した。ロンドン市場の序盤にかけて1965.40ドルまで買われたが、米国市場ではドル高や米長期金利の上昇を意識した売りが次第に強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1939.00ドルまで下落し、一段安となった。

 

米国債券市場は続落:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.14%高い(価格は下落)4.53%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.82%で終了した。良好な米経済指標が相次いだことで、米金融引き締め長期化観測が高まり債券売りが広がった。利回りは一時3.8251%前後と3月10日以来の高水準を付けた。

 

独GDPが2四半期連続のマイナス成長でテクニカルリセッション

25日に発表されたドイツの1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比0.3%減と市場予想の0.0%を下回り、速報値0.0%から下方に改定された。2022年10~12月期の0.5%減に続き、2カ月連続でのマイナス成長となったことで、機械的に景気後退とみなされるテクニカルリセッションに転落した。2期連続でマイナスになるのは、新型コロナウイルスの感染が広がった20年4~6月期以来。


 

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