★米国株式市場は下落:米債務不履行懸念が強まり続落
NYダウは8.89ドル安の33300.62ドル、ナスダックは43.76ポイント安の12284.74ポイントで終了した。地銀セクタ―が下げ止まり、安心感に買われ、寄り付き後は上昇した。その後、5月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を大幅に下回り景気減速懸念が強まり下落に転じた。同時に、同指数の長期期待インフレ率が予想外に上昇し2011年以降で最高に達したため6月の利上げ停止期待が後退し、金利高に連れた売りがさらに相場を押し下げた。さらに昼にかけて、債務上限問題を巡るバイデン大統領とマッカーシ下院議長の本日の会合延期が発表されると債務不履行懸念も強まり続落した。終盤にかけ、両者の電話会談や来週の会合が明らかになり警戒感が緩和し下げ幅を縮小して終了した。VIX指数は16.93から17.03へ上昇した。
★NY外国為替市場:期待インフレ率上昇でドル買い優勢に
ドル/円は、米ミシガン大学が発表した5月消費者態度指数(速報値)は57.7と予想の63.0を下回ったものの、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると米金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化した。10日の高値135.47円を上抜けて一時135.76円まで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.71と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。なお、米消費者の期待インフレ率は1年先が4.5%と予想の4.4%を上回ったほか、5年先が3.2%と予想の2.9%を上回り、2011年以来の高水準を記録した。
ユーロ/ドルは、米消費者のインフレ期待が予想を上回ったことが伝わると米金利の上昇とともに全般ドル買いが進行し、一時1.0848ドルと4月10日以来約1カ月ぶりの安値を更新した。市場では『根強いインフレ懸念から、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を高水準で据え置くとの見方が増えている』との声が聞かれた。
ポンド/ドルも全般ドル高が進んだ流れに沿って、一時1.2445ドルまで値を下げた。ベイリー英中銀(BOE)総裁が前日に『利上げを一時停止できる時期に近づいている』との見解を示したことで英利上げ休止観測が浮上し、ポンド売りを促した面もあった。
★NY原油先物市場は3日続落:米中景気減速懸念の高まりが重し
NY原油先物市場は69.93ドル‐71.78ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル高が進んだことを受け、ドル建てで決済される原油価格の割高感を背景にした売りが出た。主要なエネルギー消費国である米・中の景気減速懸念が高まっていることも相場の重しになった。米国市場の中盤にかけて71.78ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが増えたことで一時69.93ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に70ドル台で推移。
★NY金先物市場はほぼ横ばい:ドル高が相場の重しに
NY金先物市場は2005.70₋2027.80ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル高が進んだ影響から、ドル建てで取引される金の割高感を意識した売りが先行した。一方で、米債務上限問題を巡る不透明感が安全資産とされる金相場を下支えした。ロンドン市場で2005.70ドルまで下げた後、米国市場の序盤にかけて2027.80ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが増えたことで2013.30ドルまで反落した。ただ、この水準で押し目買いも観測されており、下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に2016ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は下落:米FRBの金融引き締め長期化観測から売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)3.99%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.46%で終了した。米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。
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