FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:金利高を嫌気した売り優勢に

NYダウは46.46ドル安の34051.70ドル、ナスダックは13.99ポイント安の12212.60ポイントで取引は終了した。連邦預金保険公社(FDIC)は経営難に陥っていた地銀ファースト・リパブリック(FRC)が破綻しJPモルガン銀(JPM)が買収で合意し、預金や支店業務を引き継ぐと発表したため金融混乱への懸念が緩和し、寄り付き後は上昇した。大手行の上昇がけん引し相場を一段と押し上げ、終日堅調に推移した。しかし、終盤にかけ、連邦準備制度理事会(FRB)が明日から2日間にわたり開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げがより確実となると、金利高を警戒し売りに転じ、主要株式指数はマイナス圏で終了した。VIX指数は15.78から16.08へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、欧州や英国市場が休場だったことから、しばらくは136円台後半でのもみ合いが続いていたが、4月米ISM製造業景気指数が47.1と予想の46.7を上回り、前月の46.3から改善したことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。200日移動平均線が位置する137.00円を上抜けると上昇に弾みが付き、一時137.54円と3月8日以来の高値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6064%前後まで上昇した。なお、市場では『日銀が前週末に大規模な金融緩和策の維持を決めたあとだけに、日米金利差拡大への思惑から円安・ドル高が進みやすい面もあった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米経済指標の上振れをきっかけに全般ドル買いが優勢になると、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.19まで上昇した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は74.53ドル‐76.69ドルのレンジ相場となった。金利引き上げが予想される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米金利上昇が景気を圧迫してエネルギー需要を抑制するとの見方が重しとなった。週末4月30日発表の4月中国製造業購買担当者景況指数(PMI)が景況判断の分岐点50を4カ月ぶりに割り込んだことも、同国の旺盛なエネルギー需要が鈍化する可能性を意識させた。アジア市場の序盤で76.69ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて74.53ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に75ドル台で取引された。

 

NY金先物市場は反落:米ドル高と米金利高を嫌気した売り

NY金先物市場は1985.70₋2015.40ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが3.55%台、同2年債利回りは4.16%台とともに4月24日以来、1週間ぶりの水準へ上昇した。米金利上昇により、金利のつかない資産である金への投資妙味が相対的に低下した。米金利上昇を受けたドル高も、ドル建て金価格の割高感につながり圧迫要因となった。ロンドン市場の序盤にかけて1985.70ドルまで下落した後、米国市場の序盤にかけて2015.40ドルまで反発したが、ドル高や米長期金利の上昇を意識して買いは縮小。通常取引終了後の時間外取引で1988ドルまで反落した。

 

米国債券市場は急落:米FRBの利上げ長期化観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは急落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.13%高い(価格は下落)4.13%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い3.57%で終了した。4月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が強まり債券売りが広がった。利回りは一時3.6064%前後まで上昇した。

 

Fedウオッチでは6月利上げ確率は3割強:US Dashbosrd

5月2~3日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが確実視されており、焦点は6月以降も利上げが続くかに移っている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』では、6月のFOMCで追加利上げはないとの見方が優勢である。ただ、0.25%の利上げを決める確率も31.5%へ上昇している。声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で、先行きの金融政策について、何らかの示唆があるか注目される。

 

イエレン米財務長官は6月1日にも債務不履行の可能性

イエレン米財務長官は1日、共和党が多数派の下院のマッカーシー議長らにあてた書簡で『6月上旬、早ければ1日にも政府資金が枯渇し、支払い義務を負えなくなる可能性がある』と説明した。米政府の債務不履行(デフォルト)を回避するために、改めて議会に債務上限の引き上げなどの対応を要請した。イエレン長官は1月13日付のマッカーシー議長への書簡で『6月上旬までに資金が枯渇する可能性が低い』としていた。政府債務は法廷上限に到達していたが、臨時措置を講じることで資金を捻出してきた。ただ、直近の税収などを加味した結果、資金枯渇の時期が早まる可能性が出てきたという。ただ、毎月の財政収支は変動しやすく、現時点の予想よりも数週間遅れる可能性もあるという。

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