FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:強い主要企業決算と米長期金利低下を好感

NYダウは272.00ドル高の34098.16ドル、ナスダックは84.35ポイント高の12226.58ポイントで取引を終了した。PCEコア価格や雇用コスト指数が根強いインフレを示唆したため金利高を警戒した売りに寄り付き後は下落した。同時に、消費が堅調でリセッション懸念が後退して上昇に転じた。また、経営難に見舞われている地銀のファースト・リパブリック(FRC)株は再び下落に転じたが、地銀セクターは全般的に強く金融システム全体への波及懸念も後退し相場を一段と押し上げた。強い主要企業決算や長期金利の低下で安心感が広がり終盤にかけて、上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は17.03から15.78へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FRBによる金融引き締めが長期化観測からドル買い

ドル/円は、日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策の維持を決定した。植田和男総裁が定例記者会見で『安定的・持続的な物価上昇の実現に向けて、もう少し辛抱して粘り強く、金融緩和を続けたい」との考えを示すと、円全面安の展開となった。NYの取引時間帯に入ると、3月米個人消費支出(PCE)デフレーターや1-3月期米雇用コスト指数が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり円売り・ドル買いが加速し、一時136.56円と3月10日以来の高値を更新した。その後の下押しも135.96円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値や4月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことでユーロ売り・ドル買いが先行した。米インフレ指標の上振れが伝わると一時1.0963ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。欧州の根強いインフレ懸念から、欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続を見込んだユーロ買い・ドル売りが入ったほか、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが入ると1.1045ドルと日通し高値を付けた。もっとも、引けにかけては1.1012ドル付近まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は続伸:過度なリスク回避の動き和らぎ買い優勢に

NY原油先物市場は73.93₋76.92ドルのレンジ相場となった。過度なリスク回避の動きが和らぎ、反落して始まった米株式市場がプラスに転じた。株の上昇も支えになり、原油先物は一時73.93ドルまで弱含んでいたが、急速に買い戻しが進み続伸して週を引けた。ロンドン市場で73.93ドルまで下落したが、まもなく反転し、米国市場の後半にかけて76.92ドルまで上げ幅を拡大。通常取引終了後の時間外取引では主に76ドル台で取引された。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米国株高が意識され上げ渋り

NY金先物市場は1984.40₋2004.10ドルのレンジ相場となった。米金利が低下していることもあり、金利のつかない金先物が強含む動きを見せる場面があった。しかしながら、米株が堅調地合いを維持していることもあり上昇幅は限られ、ほぼ横ばいで引けた。米国市場の序盤にかけて1984.40ドルまで下落した後、2004.10ドルまで反発したが、株高を意識した売りが増えたことで2000ドルを再び割り込み、通常取引終了後の時間外取引では主に1998ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:月絡みのポジション調整買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.00%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.43%で終了した。欧州債相場が上昇した流れを引き継いで米国債にも買いが先行した。市場では『月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれ、利回りは一時3.4201%前後まで低下した。

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