FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:金融システム不安受けた売りが後退

NYダウは524.29ドル高の33816.16ドル、ナスダックは287.89ポイント高の12142.24ポイントで取引が終了した。経営難に陥っている地銀のファースト・リパブリック(FRC)株が下げ止まったため、金融システム不安を受けた売りが後退し、寄り付き後は上昇した。さらに、ハイテクのメタ・プラットフォームズ(META)の良好な決算を好感した買いが相場を押し上げ、終日堅調に推移した。終盤にかけ、上げ幅を拡大し高値圏で終了した。VIX指数は18.84から17.03へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル下支え

ドル/円は、米商務省が発表した1-3月期米国内総生産(GDP)速報値が前期比年率1.1%増と予想の2.0%増を下回ったことが分かると一時133.24円と日通し安値を付けたものの、ドル売りでの反応は一時的だった。米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコアPCEが前期比年率4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったこともあり、そのあとは米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になり、134.20円と日通し高値を更新した。ただ、その後発表の3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が前月比5.2%低下と予想の0.5%上昇に反して低下したことが伝わるとドル買いの勢いは後退した。一目均衡表転換線が位置する134.08円を超えた水準では戻り売りなども出やすく、133.82円付近まで下押しした。市場では『明日の日銀金融政策決定会合の結果公表を前に、大きな方向感は出なかった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、前日に約1年1カ月ぶりの高値を付けたあとだけに利食い売りなどが出やすかったうえ、米インフレ指標の上振れでドル買いが進むと一時1.0992ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0968ドルがサポートとして働くと下げ渋った。米住宅指標が低調だったことも相場を下支えした。NY午後に入ると、徐々に値動きが鈍り1.1000ドルを挟んだもみ合いに終始した。市場では『明日28日のNYカット(日本時間23時)に行使期限を迎えるまとまった規模のオプションが1.1000ドルに観測されており、同水準を睨んだレンジ取引に収れんしやすい』との指摘もあった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:米株上昇を好感した買い

NY原油先物市場は74.03ドル‐75.28ドルのレンジ相場となった。米企業決算が市場予想より好結果だったことで、米株が上げ幅を広げて上昇した。昨日まで続く、金融システム不安に対しての経済停滞への不透明感が、一時的にではあれ一服となったことが原油先物を支えた。米国市場の前半にかけて自律反発狙いの買いが入ったことで75.28ドルまで戻したが、一時74.03ドルまで反落。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に74ドル台で取引された。

 

NY金先物市場は反発:ドル買いの勢いが弱まり買い戻しが優勢に

NY金先物市場は1982.00₋2013.30ドルのレンジ相場となった。1-3月期米コア個人消費(PCE)が市場予想より強い結果となったことで、米金利とドルが上昇した。金先物は、指標発表前は強含んでいたが、金利がつかず、ドルで取引されることで、割高感から指標発表後は売りに転じた。もっとも、引けにかけてはドル買いの勢いが弱まったこともあり、金先物は小幅に反発して引けた。米国市場の序盤にかけて2013.30ドルまで買われた後、一時1982.00ドルまで反落したが、後半にかけて2000.40ドルまで戻す場面がった。ただ、米長期金利の上昇や株高を意識した売りが増えたことで2000ドルを再び割り込み、通常取引終了後の時間外取引では主に1998ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米金融引き締めの長期化観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.12%高い(価格は下落)4.06%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.52%で終了した。米インフレ指標の上振れで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。7年債入札が『やや低調』と受け止められたことも相場の重しになった。

 

米住宅市場は在庫不足が制約に:US Dashbosrd

全米不動産協会(NAR)が27日発表した3月の仮契約住宅販売指数は前月比5.2%低下し78.9となった。低下は4カ月ぶりで市場予想82.3を下回った。同指数は売買契約は成立しているが引き渡しが完了していないものを月ごとに集計したもので、最終引き渡しが完了すると中古住宅販売件数に集計されるため、中古住宅販売件数の先行指標とされる。米国の中古住宅の市場規模は新築住宅に比べて大きく、住宅市場の状況を把握するうえで注目度が高い。NARは『住宅在庫の不足は、販売増加のいい気な制約となっている』と指摘した。『下半期の売上高は、雇用の増加が続き、より有利な住宅ローン金利が予想されるため、上半期よりもよくなる』と予想していた。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ