FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:金融システム不安再燃で売り優勢に

NYダウは344.57ドル安の33530.83ドル、ナスダックは238.05ポイント安の11799.16ポイントで取引を終了した。主要ハイテク企業の決算発表を控えた警戒感に、寄り付き後は下落した。その後、4月消費者信頼感指数が予想を下回ったため景気減速懸念もさらなる売り圧力になった。午後に入り、地銀のファースト・リパブリック(FRC)が1000億ドルの資産売却を検討していると報じられると同行株が急落し相場の下落をけん引した。金融システム混乱懸念も再燃し、終盤にかけて下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は16.89から18.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の動きから全般円買い優勢に

ユーロ/円は、アジア市場では一時148.62円と2014年12月以来約8年4カ月ぶりの高値を付けたものの、欧米市場に入ると軟調に推移した。米地銀の預金流出が相場の重しとなり、NYダウが一時350ドル超下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが優勢となり、一時146.29円と日通し安値を付けた。ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。

 

ドル/円は、4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。米国株の下落に伴うリスク回避の円買いも入り、133.37円と本日安値を付けた。ただ、対欧州・オセアニア通貨でドル買いが進んだ影響を受けたため、売り一巡後は下げ渋る展開になった。NY株引け後に発表されたマイクロソフトとアルファベットの決算が好感されて、時間外の株価指数先物が上昇したことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、欧州の銀行株が大幅に下落したことで投資家がリスク回避姿勢を強めると、ユーロ売り・ドル買いが進行した。米国株相場の下落もリスク回避のドル買いを促し、一時1.0964ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:米国株安などを嫌気した売り

NY原油先物市場は76.50ドル‐79.07ドルのレンジ相場となった。米地銀ファーストリパブリック銀行株が急落するなど、金融システム不安による米国の景気先行き不安懸念が、リスク資産とされる原油先物の重しになった。もっとも、来週から始まる中国の大型連休などを控え、原油需要が再び高まる可能性もあり、下落局面では買い支えられる場面もあった。ロンドン市場の序盤にかけて79.07ドルまで買われたが、米国市場では株安を嫌気した売りが増えたことによって76.50ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利の低下と株安を受けた買い優勢

NY金先物市場は1986.20₋2014.50ドルのレンジ相場となった。昨日引け値水準で方向感なく上下を繰り返していたが、米金利の低下幅が広がると金先物は強含んだ。引けにかけては、米株式市場の下げ幅が拡大したこともあり、安全資産とされる金先物に買いが集まり続伸して引けた。米国市場の序盤にかけて1986.20ドルまで下落したが、米長期金利の低下や株安を意識した買いが増えた。米国市場の後半にかけて2014.50ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では主に2008ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動き強まり買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)3.97%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.40%で終了した。米地銀の預金流出が相場の重しなり、米国株が軟調に推移すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想を下回ったことも債券買いを誘った。

 

伊はジャンク級への格下げあり得る唯一の国:米ムーディーズ

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、同社が格付け対象とする国で投資適格級を失う顕著なリスクがあるのは唯一、イタリアだと指摘した。しかし、イタリアの格下げが起こる可能性について、ムーディーズは見解を示していない。

 

CTAは4月に株式ポジション強化も今後は反転と予想:UBS

UBSはCTA(商品投資顧問)のポジションニングについて同社のモデルを用いて分析した。24日付のリポートによれば、CTAは4月も引き続きエクイティ・ポジショニングを強化しており、「彼らは前回(2週間前)の高進以降、保有株式を2倍以上に増やし、300億から400億ドル相当のグローバル株を購入した」という。その一方で、「今後2週間で停止し、さらには反転を始める」と予想した。現在はクレジットと株式に強気、金利は中立、米ドルやエネルギーが弱気であることを示唆しているという。株式の中では日本株と欧州株に強気、アジア株に弱気との結果が示された。

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