FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気後退懸念を受けた売りで上値の重い展開

NYダウは66.44ドル高の33875.40ドル、ナスダックは35.25ポイント安の12037.20ポイントで終了した。金利の先高観後退で寄り付き後は上昇した。その後、4月ダラス連銀製造業活動指数の予想外の悪化を受けて根強い景気後退懸念を受けた売りが強まり、下落に転じた。しかし、今週控えている主要ハイテク決算待ちで動意乏しく終日小動きに終始した。終盤にかけて、ダウはプラス圏回復もハイテクは終始軟調でまちまちで終了した。VIX指数は16.77から16.89へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売りやや優勢

ユーロ/ドルは、4月独Ifo企業景況感指数の上振れや欧州中央銀行(ECB)高官のタカ派的な発言を受けて全般ユーロ買いが先行した。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ると、一時1.1050ドルと日通し高値を更新した。なお、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は『賃金の伸びが鈍化しなければ利上げを継続』『金利をある時点で4%にしなければならないとしても驚きはない』と述べ、市場の想定以上に金融引き締めが進む可能性を示唆したほか、シュナーベルECB専務理事は『インフレについて勝利宣言するのは時期尚早』『来週の理事会で0.50%の利上げの可能性を排除しない』などと語った。

 

ドル/円は、日銀が今週開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持するとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが先行し、一時134.73円と日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は上値が重くなった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ったほか、4月米ダラス連銀製造業活動指数が▲23.4と前回の▲15.7から悪化し、予想の▲12.0を下回ったことが相場の重しとなり、一時134.23円付近まで下押しした。もっとも、同水準に位置する一目均衡表雲の上限がサポートとして働くと下げ止まった。

 

NY原油先物市場は続伸:ドル安と米長期金利低下を好感した買い

NY原油先物市場は76.72ドル‐79.18ドルのレンジ相場となった。米国の景気先行き不安で軟調な動きを見せる場面もあったが、ユーロやポンドを中心とした欧州通貨に対してドル売りが進んだことで、ドルで取引される原油先物は割安感もあり続伸して引けた。アジア市場の終盤にかけて76.72ドルまで下落したが、米国市場では米長期金利の低下やユーロ高を意識した買いが入ったことによって79.18ドルまで上昇し、通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ドル安と米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1984.40₋2001.50ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え先週末からブラックアウト期間に入ったこともあり、金先物は材料不足の中で先週末引け値水準を挟んで上下していた。しかしながら、徐々に米金利が低下し、ドルが軟調な動きを見せたことで、ドルで取引される金先物は割安感からじり高になった。米国市場の序盤にかけて1984.40ドルまで下落したが、米長期金利の低下やユーロ高を意識した買いが増えたことで米国市場の後半にかけて2001.50ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に2000ドルをやや下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:米経済指標の悪化を受けて買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)4.08%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.49%で終了した。4月米ダラス連銀製造業活動指数の悪化を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

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