FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な米経済指標を好感した買い優勢

NYダウは54.45ドル高の26828.39、ナスダックは25.54ポイント高の8025.08で取引を終了した。イタリア政府が財政赤字の対GDP比率を引き下げるとの報道を受け、同国の財政懸念がやや後退した。そのため、欧州の株式相場が金融株を中心に上昇したことを受け、米国株も買いが先行した。米長期金利が約7年ぶりの水準に上昇したこともあり、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。また、この日発表された米9月ADP雇用時計やISM非製造業指数が予想を上回る良好な内容となり、終日堅調推移となり、上げ幅は一時170ドルを超えた。VIX指数は12.05から11.61へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標受け総じてドル買い優勢

ドル/円は、米9月ADP全米雇用報告で、政府部門を除く非農業部門雇用者数が前月比23万人増となり、市場予想の18万5000人程度増を上回ったため円売り・ドル買いが先行した。米9月ISM非製造業指数が61.6と予想の58.0を上回り、21年ぶりの高水準だったことが明らかになると円売り・ドル買いが加速した。さらに、パウエル米FRB議長が講演で『米経済は極めてポジティブ』『まだ中立的な金利水準には遠い』『中立金利を超える可能性がある』などと述べると全般ドル買いが活発化し、一時114.54円と昨年11月6日以来の高値を付けた。ユーロ/ドルは、 良好な米経済指標を手掛かりに、米長期金利が3.1851%前後と2011年7月上旬以来の高水準を付けるとドル全面高の展開となった。パウエルFRB議長の発言が伝わると、節目の1.1500ドルを下抜けてストップロスを誘発し一時1.1465ドルと8月20日以来の安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は大幅反発:イラン制裁を受けた供給不足懸念

NY原油先物市場は一時76.90ドルまで買われた。原油供給不足に対する市場の警戒感が再び高まったことが原油買いの材料となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が797.5万バレル増加し、市場予想の150万バレル増加を大幅に上回ったことで一時74.30ドルへ下振れした。しかし、イラン産原油の輸出減少の影響で需給関係はひっ迫していることから、ほどなく下落幅を回復しその後も買い進まれた。

 

NY金先物市場は反落:ドル高や米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は一時1200.40ドルまで売られた。イタリアがユーロ圏の規律に沿った財政赤字をGDP比2%以内にとどめる予算を策定する可能性が報じられ、市場のリスク回避姿勢が後退した。また、米ドルが主要通貨に対して上昇したことや米長期金利の上昇を嫌気した売りが優勢となった。ただ、1200ドル近辺では押し目買いの興味が残されており、金先物の下げ幅はやや縮小した。

 

米国債券市場は反落:良好な米経済指標を受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは急反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.12%高い(価格は下落)3.18%で終了した。一時3.1851%前後と2011年7月上旬以来7年3ヵ月ぶりの高水準を付けた。好調な米経済指標をきっかけに債券売りが先行した。パウエル米FRB議長のタカ派発言も相場の重石となった。

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