★米国株式市場はまちまち:年内の利下げ観測後退で売り優勢に
NYダウは79.62ドル安の33897.01、ナスダックは3.81ポイント高の12157.23ポイントで取引を終了した。予想を上回った英国の消費者物価指数(CPI)を受け国内のインフレも高止まりで金利上昇を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。金融決算の内容もまちまちの中、預金の流出が警戒されていた地銀のウエスタン・アライアンス(WAL)の決算が予想を上回ったため下げ止まった。しかし、年内の利下げ観測が弱まり戻りも鈍く終日軟調推移した。終盤にかけてハイテクはプラス圏に回復しまちまちで終了した。VIX指数は16.83から16.46へ低下して終了した。
★NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル底堅い展開
ドル/円は、欧州の取引時間帯に『来週27-28日の日銀金融政策決定会合でのYCC修正について、日銀内で慎重な意見が広がっている』との観測報道が伝わり、一時135.13円と3月10日以来の高値を付けた影響が残った。NY市場では利食い売りなどが先行し一時134.29円付近まで下押ししたものの、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると134.86円付近まで持ち直した。日銀が当面、金融緩和を続けるとの観測も相場を下支えした。米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で『米経済活動はここ数週間、全般ほとんど変化が見られなかった』『雇用の伸びが緩やかになり、物価上昇が鈍化したようだ』『いくつかの地区は労働供給の増加を指摘し、労働市場の逼迫が緩和された』と指摘したものの、相場の反応は限られた。
ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0917ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続が意識される中、ユーロ買いが入りやすく、1.0979ドル付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0984ドルを上抜けることは出来なかった。
★NY原油先物市場は反落:景気減速による需要の後退懸念から売り
NY原油先物市場は78.53ドル‐81.24ドルのレンジ相場となった。米金利の高止まりが景気を冷やし、エネルギー需要を後退させるとの懸念から売りが優勢となった。減産報道で急騰した3日の安値79.00ドルを割り込むと、78ドル半ばまで下げ足を速めた。この日発表された米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計では、原油の取り崩し幅は想定以上だった。これを受けて下げ渋ったものの戻り幅は限られた。アジア市場の序盤に81.24ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の高止まりを意識した売りが強まり、米国市場の前半にかけて78.53ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に79ドル台で推移した。
★NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を意識した売り優勢に
NY金先物市場は1980.90‐2020.30ドルのレンジ相場となった。米・中長期債利回りの上昇を受けて金利が付かない金への売り圧力が強まり、3日以来の安値となる1980ドル手前まで下げ幅を広げた。もっとも一巡後は値ごろ感から買い戻しが強まり、2000ドル台を回復して終えた。アジア市場の序盤で2020.30ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが次第に強まり、ロンドン市場で1980.90ドルまで反落した。ただ、米国市場では下げ渋り、2009.10ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に2008ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場:英国債の売りに連れた売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.24%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い3.59%で終了した。英インフレ指標の上振れで英国債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。
★23年の中国のGDP成長率見通しを6.4%増に引き上げ:JPモルガン
JPモルガンは最新リポートで、2023年1₋3月期の中国国内総生産(GDP)が前年同期比4.5%増となり、市場予想の4%を上回ったことを踏まえ、23年通年の中国GDP成長率見通しをこれまでの前年比6%増から6.4%増に上方修正した。『香港経済日報』が19日伝えた。JPモルガンは1₋3月期GDPが堅調に伸びた主因について、「旅行関連の消費とサービスの顕著な回復」、「これまでのマクロ政策の効果」、「輸出の予想上振れ」、「不動産市場の底打ちが予想より早かったこと」などを挙げた。鉱工業生産が予想をやや下回ったものの、依然として安定成長を維持しているとした。
★後退し始めた米国利上げ打ち止め観測:US Dashbosrd
米連邦準備理事会(FRB)が5月米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めるとの見方はコンセンサスになり、市場の焦点は同会合で利上げ打ち止めとなるかに移っている。3月の米欧金融機関の経営危機を受け、一時5月で利上げ停止、年後半の利下げ転換がコンセンサスとなっていた。しかし、金融システム不安の後退や、経済指標の上振れから、利上げ打ち止め観測は後退し始めている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』における6月の利上げ確率は、足元で3割近くまで上昇している
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