FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米企業決算を控えて方向感のない展開

NYダウは10.55ドル安の33976.63ドル、ナスダックは4.31ポイント安の12153.41ポイントで取引を終了した。金融ゴールドマンサックスの決算が冴えず寄り付き後は下落した。その後、中国の1-3月期国内総生産(GDP)が1年ぶり最大の伸びとなるなど、経済活動の再開の影響が明確化したため世界経済への悲観的見方が後退、需要増加期待に下げ幅を縮小した。同時に主要企業決算の結果を見極めたいとの見方も多く方向感がない中、小幅安で終了した。S&P500種指数はわずかに上昇した。VIX指数は16.95から16.83へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドルの重しに

ドル/円は、アジア時間に一時134.71円と3月15日以来約1カ月ぶりの高値を付けた反動で利食い売りなどが先行した。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル売りが進むと、円に対してもドル売りが出て一時133.86円と日通し安値を付けた。米10年債利回りが3.54%台まで低下したことも相場の重しになった。ただ、前日の安値133.63円が目先サポートとして働くと下げ渋った。ブラード米セントルイス連銀総裁が『インフレは根強く利上げ継続が適切』『制限的な政策金利は5.5%から5.75%の範囲と見込む』と発言したほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁が『あと1回の利上げを予想』『米連邦準備理事会(FRB)はかなりの期間、金利水準を維持すると予想』と述べたことなども相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では一時1.0983ドルまで上昇したものの、NY市場に入ると上値が重くなった。FRB高官から利上げ継続の主張が相次いで伝わったことが相場の重しとなり、一時1.0943ドル付近まで下押しした。もっとも、米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが入り、1.09ドル台後半まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は小幅に反発:持ち高調整の売りが優勢に

NY原油先物市場は79.91ドル‐81.52ドルのレンジ相場となった。前日の弱い地合いが引き継がれて売りが先行し、一時79ドル後半まで下値を広げた。もっとも一巡後は買い戻しが優勢となり、一気に81ドル半ばまで上げ足を速めた。来月から始まる『複数のOPECプラス加盟国による追加減産』が意識されたとの声が聞かれた。引けにかけては持ち高調整の売りに押され、上げ幅を縮めた。アジア市場で82.62ドルまで買われたが、ロンドン市場で82ドルを下回り、米国市場の序盤にかけて一時79.91ドルまで下落したが、米長期金利の低下を受けて反転し、81.52ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:ドル安を好感した買い優勢に

NY金先物市場は2003.30‐2024.60ドルのレンジ相場となった。序盤に売りが強まるも節目2000ドルの手前では下げ止まり、2020ドル超えまで切り返した。下値の堅さを確認できたところに、為替でドルが対ユーロなどで弱含み、ドル建ての金に割安感が生じたことにも後押しされた。

 

米国債券市場はまちまち:米国株失速から買い優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.20%で終了した。また、長期ゾーンは3日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)3.57%で終了した。米国株相場の失速などが債券買いを誘った。なお、米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派的な発言が伝わったものの、相場の反応は限定的だった。
 2年債利回りは一時4.2263%前後まで上昇し、10年債利回りを上回る『逆イールド』が拡大した。

 

5月FOMCでは25bp利上げの可能性高い:ノムラ

5月2~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、ノムラ・セキュリティーズは18日付のリポートで『今後発表される経済指標と最近の政策当局の発言により、5月FOMCで25bpの追加利上げが行われる可能性が高まったとみている。天候による歪みもあり、経済指標はまちまちだったが、米国経済は底堅さを保った』との見解を示した。リポートでは、米連邦準備理事会(FRB)の週間統計で預金流出が安定し、銀行の資金調達ストレスは小幅に緩和されたとしながら、『ほとんどのFOMC参加者が3月にシリコンバレーバンクが破綻する以前の反応関数を維持しており、金融政策を実現インフレ率に連動させている』とし、金融不安が落ち着くことでインフレ抑制に踏み切りやすい環境と指摘した。同社は以前、5月FOMCで利上げ停止を予想していたが修正した格好。その上で、5月FOMC以降、FRBが非賃金コアサービスインフレに注目していることを考慮すると、非賃金コアサービスインフレが賃金上昇と密接に関連していることから、『賃金上昇率が加速するが堅調に推移すれば、6月FOMCで追加利上げの可能性が高まると考えている』ともみていた。

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