FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:金融不安の緩和やソフトランディング期待の買い優勢

NYダウは100.71ドル高の33987.18ドル、ナスダックは34.26ポイント高の12157.72ポイントで取引が終了した。中堅銀の破綻の影響を受け預金流出などが警戒され株価が売られていたチャールズ・シュワブ(SCHW)の決算が予想を上回ったため投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。その後、5月連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げがほぼ織り込まれ金利高を嫌気した売りに押され、一時下落に転じた。終盤にかけて、金融不安の緩和やソフトランディング期待を受けた買いに、プラス圏に戻し終了した。VIX指数は17.07から16.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米経済指標の上振れ受けドル買い優勢に

ドル/円は、4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.8と予想の▲18.0を大きく上回り、4月NAHB住宅市場指数が45と予想の44をやや上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進行し、一時134.57円と3月15日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。一目均衡表雲の上限134.48円を超えたところでは買いの勢いは弱まったものの、下押しは134.39円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場序盤に一時1.1000ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。米経済指標の上振れを受けて、米景気の悪化懸念が和らぐと米長期金利が上昇した。欧米金利差の拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優勢となり、23時30分過ぎに一時1.0909ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は反落:ドル高を嫌気した持ち高調整売り優勢に

NY原油先物市場は80.46ドル‐82.62ドルのレンジ相場となった。良好な米経済指標が続くと米金利が上昇幅を拡大し、為替ではドル高が進んだ。ドル建てで取引される原油先物は割高感が生じたため売り優勢となった。先週末に支えられた81ドル後半を下抜けると持ち高調整の売りが断続的に持ち込まれ、一時80ドル半ばまで売り押された。アジア市場で82.62ドルまで買われたが、ロンドン市場で82ドルを下回り、米国市場で81ドルを割り込んだ。ドル高や米長期金利の上昇を受けてポジション調整的な売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高と米長期金利上昇を受け売り優勢に

NY金先物市場は1993.40‐2028.00ドルのレンジ相場となった。4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が市場予想を大きく上回ったことが分かると、米金利上昇や為替のドル高進行とともに金への売り圧力が強まった。節目の2000ドルを割り込み、1993ドル手前まで下げ足を速めた。もっとも一巡後は値ごろ感から買いが優勢となり、下げ幅を縮小して終えた。アジア市場で2028.00ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を受けて米国市場で1993.40ドルまで反落した。ポジション調整的な売りも観測された。米国市場の後半で下げ幅は縮小し、通常取引終了後の時間外取引では2008ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米景気悪化懸念が和らぎ売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.19%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.60%で終了した。米経済指標の上振れを受けて米景気の悪化懸念が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。利回りは一時3.6042%前後と3月29日以来の高水準を付けた。

 

米経済指標の上振れ続き早期利下げ転換観測が後退:US Dashboard

米NY連邦準備銀行が17日発表した4月の製造業景況指数は10.8と、3月のマイナス24.6から急回復し、2022年7月以来の高水準となった。この日、全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した4月の住宅市場指数も45と、前月から1ポイント上昇し、22年9月以来、7カ月ぶりの高水準となった。米ミシガン大学が14日に発表した4月の消費者体動指数も予想を上回るなど、米経済指標は上振れが続き、米連邦準備理事会(FRB)が5月に利上げを決めるとの見方が強まっている。米金利先物の動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」によると、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ確率は、80%台後半まで上昇した。3月の米銀破綻をきいかけに広がった早期利下げ転換観測も後退し始めている。

 

株式エクスポージャーの拡大意向が過去最低:JPモルガン

JPモルガンが顧客を対象に毎週行っている調査によると、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は26%となり、3月中旬の29%を下回って過去最低を更新した。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の30~40パーセンタイルと答えた比率が25%と最も多く、40~50パーセンタイルの22%、20~30%パーセンタイルの19%が続いた。JPモルガンは同リポートで、最近の株価上昇はシステマティック戦略による資金流入がもたらしたものであると指摘。高金利と量的引き締め、銀行危機後の信用収縮、キャリートレードの解消圧力、地政学的な逆風から、今年の景気後退入りの可能性が高いとの見方を示している。また、景気後退入り前に株式市場が底を打つことはないとし、株式に対するアンダーウエート、現金へのオーバーウエートを据え置いた。

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