FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:インフレ鈍化傾向から利上げ停止期待から買い優勢に

NYダウは383.19ドル高の34029.69ドル、ナスダックは236.94ポイント高の12166.27ポイントで取引を終了した。3月生産者物価指数(PPI)が予想を下回りインフレ鈍化傾向が新たに証明されたほか、失業保険申請件数も労働市場ひっ迫緩和を示したため利上げ停止期待に、寄り付き後は上昇した。金利先高観の後退でハイテクが強く、相場の上昇をけん引し、終日堅調に推移した。終盤にかけて、上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は19.09から17.80へ大幅低下した。

 

NY外国為替市場:米国債券利回りに振れる展開

ユーロ/ドルは、前日の3月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の3月米卸売物価指数(PPI)が下振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、一時1.1068ドルと昨年4月以来1年ぶりの高値を付けた。米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだものの、下押しは1.1044ドル付近にとどまった。ナーゲル独連銀総裁やウンシュ・ベルギー中銀総裁など、欧州中央銀行(ECB)当局者が利上げ継続を相次ぎ示唆したことで、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。

 

ドル/円は、一時133.39円と日通し高値を付けたものの、インフレの鈍化や労働市場の過熱感が後退したことを示す経済指標の発表を受けて一転売りが優勢となり、一時132.02円と日通し安値を更新した。ただ、節目の132.00円手前では押し目買いなどが入ったため下げ渋った。一時は3.36%台まで低下した米10年債利回りが3.45%台まで上昇したことも買い戻しを促し、132.80円付近まで下げ幅を縮めた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:利食い売りに押される展開

NY原油先物市場は82.11ドル‐83.44ドルのレンジ相場となった。米経済指標の結果を受けたドル安でドル建ての原油に割安感から買いが入る場面もあったが、米経済が景気後退(リセッション)入りするとの懸念が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)が今年の石油需要予測を下方修正したことが嫌気され、利食い売りに押された。ロンドン市場で83.44ドルまで買われたが、需給ひっ迫を想定した買いは一巡し、米国市場の後半にかけて82.11ドルまで値を下げる場面があった。利益確定を狙った売りが増えた。通常取引終了後の時間外取引では主に82ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:ドル安を意識した買いが優勢に

NY金先物市場は2028.30‐2063.40ドルのレンジ相場となった。連日米経済指標がさえない結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利上げ停止に動くとの見方が強まり、金利を生まない金に買いが入った。また、米景気後退懸念が浮上したことや、為替市場でドル安が進んだことも金の買いを後押した。アジア市場で2028.30ドルまで下げたが、ユーロ高を意識した買いが入ったことで米国市場の中盤にかけて2063.40ドルまで買われた。株高を意識して買いは一服したが、2048.50ドルで下げ止まり、2058.80ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では2050ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米国株高を嫌気した売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)3.97%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.45%で終了した。3月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、インフレの鈍化が示されると、債券買いが先行した。ただ、米国株相場が大幅に反発すると相対的に安全資産とされる米国債には売りが出たため、下げに転じた。

 

 

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