FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:イエレン米財務長官発言受け買い優勢に

NYダウは98.27ドル高の33684.79ドル、ナスダックは52.48ポイント安の12031.88ポイントで取引を終了した。ディフェンシブ、循環株などの買いに支えられ、寄り付き後は上昇した。その後、イエレン財務長官が信用縮小の兆候が見られないと金融混乱の悪化回避を示唆、国内経済が並外れて強いとの見解を示したためNYダウは続伸した。一方で、重要インフレ指標の発表を控えた警戒観やNY連銀のウィリアムズ総裁があと1回の利上げが妥当と言及すると、金利が上昇に転じたためハイテクは終日軟調に推移した。主要株式指数はまちまちで終了した。VIX指数は18.97から19.10へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買いが優勢

ドル/円は、欧州市場では一時132.97円と日通し安値を付ける場面もあったが、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。米10年債利回りが上昇に転じたことを受けて全般ドル買いが入ったほか、日銀の政策修正観測の後退を材料に引き続き円売りが出やすい地合いとなった。NYダウが一時190ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、4時前に133.81円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値133.87円が目先レジスタンスとして意識されると上昇が一服した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するグールズビー米シカゴ連銀総裁が『米連邦準備理事会(FRB)は慎重さと忍耐をもって利上げを行うべき』『過度に積極的な利上げには慎重であるべき』と述べたことも相場の重しとなった。

 

ユーロ/ドルは、欧州債利回りの上昇などを手掛かりに、イースター休暇明けの欧州勢がユーロ買い・ドル売りで参入すると一時1.0928ドルと日通し高値を付けた。ドイツ株が1年3カ月ぶりの高値を付けたほか、フランス株が過去最高値を記録するなど、欧州株相場の上昇に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入った。米長期金利が上昇に転じると全般ドルを買い戻す動きが広がり、1.0896ドル付近まで上げ幅を縮める場面もあったが、下押しは限定的だった。グールズビー米シカゴ連銀総裁のハト派的な発言もユーロ買い・ドル売りを促し、1.09ドル台前半まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫を意識した買い優勢

NY原油先物市場は79.37ドル‐81.59ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落したのもドル建ての原油相場の支えとなった。また、明日に予定されている米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油や石油製品の取り崩しが見込まれていることも買いを後押した。ロンドン市場で79.37ドルまで下落したが、米国市場の後半にかけて81.59ドルまで値を上げた。需給ひっ迫を意識した買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:ポジション調整の買い

NY金先物市場は2003.70‐2022.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金に買いが入った。前日まで3日続落した反動で安値拾いの買いや、明日米3月消費者物価指数(CPI)の発表を控えたポジション調整の買いが相場の支えとなった。アジア市場の序盤で2003.70ドルまで売られたが、その後は米長期金利の動向を意識した買いが入ったことで反転し、ロンドン市場の序盤にかけて2022.50ドルまで反発した。ただ、米国市場では長期金利が下げ渋ったことを受けて利食い売りも観測されており、一時2010.70ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に2020ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米景気懸念の後退で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.02%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い3.43%で終了した。米景気懸念が後退する中、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。3年債入札が低調と受け止められたことも相場の重しになった。ただ、グールズビー米シカゴ連銀総裁が『米連邦準備理事会(FRB)は過度に積極的な利上げに慎重であるべき』と発言すると買い戻し入り、下げ幅を縮めた。

 

債券と株式は逆相関に戻る可能性が高い:JPモルガン

JPモルガンは11日付リポートで、昨年10月にそれまで軟調に推移していたハイテク株を買い戻すべきと主張したのを踏まえつつ、「米国の長期金利がその時点でピークに達している可能性が高いという我々の見解を考慮すると、問題は(ここから)テクノロジーが株式市場をさらに押し上げ続けるかどうかだ」と指摘。米IT大手5社のFAANGの株価収益(PER)がプラス1σの水準にあることに着目しつつ、「世界的に見てテック系の株価収益率は20年ぶりの高水準に近づきつつある」とも指摘。最近のハイテク株高について、米連邦準備理事会(FRB)の利下げを過大に織り込んでいると警戒感を示しながら、「実質金利は上昇を続ける可能性があり、ハイテクはそれと逆相関している。大局的に見ると、株式市場全体では債券と株式の相関関係が逆相関に戻る可能性が高いため、債券利回りの低下はもはや株式の助けにはならないはずであり、これは絶対的な観点からはもはやテクノロジーの助けにはならない」との認識を示した。ハイテク株はバリュエーション面で割高感があると繰り返しながら、「テレコム、交易、生活必需品、ヘルスケアなど、最近追加することを勧めた純粋なディフェンシブ・プレイでのポジショニングは、今後数カ月の間に最適な場所になる可能性がある」とみていた。

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