FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:貿易摩擦への懸念薄れ史上最高値更新

NYダウは122.73ドル高の26773.94、ナスダックは37.76ポイント安の7999.55で終了した。イタリアの財政懸念を受けて欧州株が全面安となり、寄り付き後は小動きとなった。米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の3カ国合意を受け、米国を中心とした貿易摩擦への懸念が薄れ、NYダウは史上最高値を更新したものの、米中貿易摩擦への警戒感からS&P500やナスダック総合指数は上値の重い展開となった。VIX指数は12.00から12.05へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:イタリア財政不安を背景にユーロ売り優勢

ドル/円は、イタリアの財政不安を背景に米国株が小幅に下落して始まったため、リスク回避的な円買い・ドル売りが先行した。米長期金利の低下に伴う売りも出て一時113.50円近辺まで下げた。しかし、NYダウが持ち直し、史上最高値を更新したこともあって一本調子で下落する展開にはならなかった。ユーロ/ドルは、イタリア極右政党『同盟』の有力議員で下院予算委員長のボルギ氏がラジオで『イタリアが自国通貨を持てば、大半の問題は解決すると本当に確信している』などと発言した。イタリアのユーロ離脱懸念が高まり、一時1.1505ドルと8月21日以来の安値を付けた。ただ、ボルギ氏が一部通信社とのインタビューで『イタリア政府はユーロ圏を離脱する意向はない』と表明し、ラジオでの発言を否定すると一転買い戻しが優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1570ドル付近まで上げた。ビルロワドガロー仏中銀総裁が欧金融政策について『漸進的な正常化は正当化される』との見解を示したことも相場の支援材料となった。

 

NY原油先物市場は小幅安:ドルが主要通貨に対して強含みを嫌気

NY原油先物市場は一時74.93ドルまで売られた。米国の対イラン制裁を受けた供給不安による上昇の流れが続き、2014年11月下旬以来、約3年10ヵ月ぶりの76ドル台回復に迫る場面もあったが失速した。一段の押し上げ材料に欠けるなか、対ユーロなどでドル高が進み上値を抑えた。

 

NY金先物市場は大幅反発:イタリアの財政不安や欧州株安で買い優勢

NY金先物市場は一時1212.30ドルまで買われた。イタリア政府好感がユーロ圏離脱の経済的メリットに言及したことがリスク回避を意識させたほか、欧州株安を受けて安全資産とされる金買いが活発となった。対ユーロなどでドル高が進んだが、特に意識されなかった。1200ドルをしっかりと超えたことから一部でストップロスとみられる買いが観測された。

 

米国債券市場は反発:イタリアの財政不安を背景に買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.02%低い(価格は上昇)3.06%で終了した。イタリアの財政不安を背景に安全資産とされる米国債に買いが入った。なお、イタリア国債利回りは約4年半ぶりの高水準を付けた一方、ユーロ圏内の安全資産であるドイツ国債の利回りは低下した。

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