FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場上昇:金融危機不安の一段の緩和を好感

NYダウは2.57ドル高の33485.29ドル、ナスダックは91.10ポイント高の12087.96ポイントで取引を終了した。週次失業保険申請件数が予想を上回ったほか、国際通貨基金(IMF)が今後5年の世界経済成長見通しが1990年来の低い伸びになると警告したため景気減速懸念を受けた売りに寄り付き後は下落した。セントルイス連銀のブラード総裁が利上げ継続支持を表明すると一段と売られた。その後、地銀セクターが回復し金融危機不安が一段と緩和したほか、航空機メーカー、ボーイング(BA)株の上昇が相場全体を押し上げ、上昇に転じた。終盤にかけて、グッドフライデーの祭日や雇用統計を控えた調整でプラス圏を維持して終了した。VIX指数は19.08から18.40へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が低下幅縮小するとドル買い戻し

ドル/円は、米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数は22.8万件と予想の20.0万件を上回り、失業保険継続受給者数も182.3万人と予想以上に増加した。前日の3月ADP全米雇用報告に続き、米労働市場の過熱感が緩和したことを示唆する内容だったことから、発表後は円買い・ドル売りで反応し、一時131.00円付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値130.78円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になり、一時は3.2477%前後と昨年9月9日以来約7カ月ぶりの低水準を記録した米10年債利回りが3.30%台まで低下幅を縮めたことも相場の支援材料となり、前日の高値131.84円を上抜けて一時131.90円まで上値を伸ばした。その後の下押しも131.57円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、NY勢参入後に一時1.0886ドル付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値1.0885ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を意識したユーロ買いも入り、一時1.0938ドルと日通し高値を更新した。3月米雇用統計やイースター休暇の連休を前に、ポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入りやすかった。

 

NY原油先物市場は小幅に反発:需給ひっ迫懸念残り買い優勢に

NY原油先物市場は79.65ドル‐80.95ドルのレンジ相場となった。世界的な需給ひっ迫懸念から買いが強まる場面があったが、景気先行き懸念からエネルギー需要減への警戒感も根強く、上値は限られた。ロンドン市場の序盤にかけて79.65ドルまで下落したが、米国市場の序盤までに80.96ドルまで戻した。その後は伸び悩み、一時79.84ドルまで反落したが、需給ひっ迫の懸念は消えていないため、下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では80ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:連休前のポジション調整売り優勢

NY金先物市場は2016.50‐2037.70ドルのレンジ相場となった。足もとで大きく相場が上昇していただけに、この日も利益確定の売りが優勢となった。3月米雇用統計を前に持ち高調整の動きも重なった。アジア市場の序盤で2037.70ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで弱含み、米国市場の前半にかけて2016.50ドルまで下落した。米長期金利が伸び悩んだことを意識して2030.90ドルまで戻したが、連休前でポジション調整的な売買が主体となり、上げ渋った。通常取引終了後の時間外取引では主に2027ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:ポジション調整的な売買

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)3.82%で終了した。また、長期ゾーンは6日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.30%で終了した。労働市場の軟化を示す経済指標が相次ぐ中、米景気への懸念から債券買いが進んだ。利回りは一時3.2477%前後と昨年9月9日以来約7カ月ぶりの低水準を付けた。ただ、明日7日発表の3月米雇用統計を前に、ポジション調整目的の売りが出ると上げ幅を縮めた。

 

3月のNFPは26万人増加か:ゴールドマン

米労働省が7日に3月の雇用統計を発表する。非農業部門の新規雇用者(NFP)の市場予想を24万件増で前月31万1000件から伸びが鈍化する見込み。失業率は3.6%で前月から横ばいが見込まれ、平均時給は前月比0.3%上昇で前月0.2%上昇からやや増加する見込み。ゴールドマン・サックスは6日付のリポートで、3月のNFPを26万人増と予想し、市場予想を上回る数字を見込んだ。雇用の伸びは、労働市場がタイトだった冬の強いペースから3月には正常化する傾向があるといい。同社が見ている雇用の伸びを示す3つの代替指標は前四半期で減速しているという。また、北東部と中西部で雪が降ったことから、約4万人の雇用抑制要因になるともみていた。3月10日にシリコンバレーバンクが経営破綻したことで、金融不安の影響が現れるかどうかも関心が高いが、「3月の雇用統計に影響を与えることはないと思われる」とも指摘した。

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