FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:エネルギー関連が買われ下支え

NYダウは327.00ドル高の33601.15ドル、ナスダックは32.45ポイント安の12189.45ポイントで取引を終了した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が予想外の追加減産を決定し原油高でエネルギー関連株が買われ、寄り付き後は上昇した。NYダウは終日エネルギーが支え堅調に推移したが、ハイテクは弱く相場の上値を抑制し、まちまちで終了した。VIX指数は18.70から18.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:低調な米経済指標受けドル売り優勢に

ドル/円は、「OPECプラス」が2日に追加減産を表明したことを受けて原油先物相場が急騰すると、対資源国通貨中心にドル売りが進行した。対円でもドル売りが優勢となった。3月米ISM製造業景気指数が46.3と予想の47.5より弱い内容だったことが伝わると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化した。前週末の安値132.59円を下抜けて一時132.21円と3月30日の安値に面合わせした。その後の戻りも132.57円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、原油高を背景に対資源国通貨中心にドル売りが強まると、ユーロに対してもドル売りが先行した。低調な米経済指標をきっかけにドル売りが優勢になると、一時1.0917ドルと日通し高値を付けた。ホルツマン・オーストリア中銀総裁が「5月に0.50%の利上げを実施する可能性はまだ残っている」と発言したこともユーロ買いを促した。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需給ひっ迫懸念から買い優勢に

NY原油先物市場は79.00‐81.69ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアが5月から年末までの減産を発表した。その他OPECプラス国も追随したことから需給ひっ迫懸念が高まり、買いが優勢となった。一時81.69ドルまで上昇する場面があった。減産報道を受けてアジア市場の序盤で81.69ドルまで一段高となった。その後79.00ドルまで下げたが、長期金利の低下を受けて米国市場で80.95ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも80ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1965.90‐2008.00ドルのレンジ相場となった。終値ベースで2000ドル台を付けるのは昨年3月10日以来、約1年1カ月ぶりとなった。外国為替市場でドル安が進んだことを受けてドルと逆相関とされる金に買いが入った。アジア市場で1965.90ドルまで売られたが、ドル高が一服し、米長期金利は低下したことを受けて米国市場で2008.000ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に2000ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米景気の先行き懸念高まり買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)3.96%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.41%で終了した。3月米製造業PMI改定値や3月米ISM製造業景気指数が予想より弱い内容だったことが分かると、米景気の先行き懸念が高まり債券買いが広がった。

 

ブレンド原油価格予想を上方修正:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは3日付リポートで「OPECが先週末に予想外の減産を実施したことで、原油先物価格は上昇し、テールリスクが高まった」と指摘した。減産に併せてブレント原油価格の23年12月予想を従来の90ドルから95ドルに上方修正したことに言及した(24年12月は97ドルから100ドルに引き上げ)。原油価格は2週間ほど前から上昇し、エネルギー関連資産も堅調であるものの、「エネルギー通貨(輸出国対輸入国)とブレーク・イーブン(BEI)は原油価格に対するベータを上回っており、エネルギー株とクレジットは出遅れている」と指摘。リポートでは、BEIに関しては米銀行システム不安による影響がドライバーになった可能性が高いとしつつ、エネルギー株については「出遅れたのは金利の低下によってグロース株対バリュー株が押し上げられた(グロース株高)からである」とも指摘。ゴールドマンではエネルギー株を「オーバーウエート」としている。

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