FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:早期の利上げ停止を見込んだ買い優勢に

NYダウは415.12ドル高の33274.15ドル、ナスダックは208.43ポイント高の12221.91ポイントで取引を終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているコアPCE価格指数が予想外に前月から伸びが鈍化したため早期の利上げ停止を見込んだ買いに寄り付き後は上昇した。その後も長期金利が低下を続けハイテクを支援し、相場全体を一段と押し上げた。主要株式指数は終日堅調に推移して終了した。VIX指数は19.02から18.70へ低下した。

 

NY外国為替市場:月末・期末絡みの売買に振れる展開

ドル/円は、欧州序盤には133.59円まで買われる場面もあったが、そのあとは徐々に上値が重くなった。米商務省が発表した2月米個人消費支出(PCE)デフレーターが総合・コアともに予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを早期に停止するとの見方が強まり、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが進行した。月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると、一時133.31円付近まで持ち直す場面もあったが、フィキシング通過後は再び弱含み、一時132.62円付近まで下押ししている。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、『金融政策は経済データに基づいて決定する』『景気の先行きは不透明な状況』『インフレは和らいだが、依然として目標の2%を大きく上回っている』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ったことを受けて、インフレへの過度な懸念が和らぐと、欧州中央銀行(ECB)が想定以上の利上げを迫られるとの観測が後退した。ユーロ売り・ドル買いが優勢になった。米インフレの鈍化傾向を示す指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入る場面もあったが、月末・四半期末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると再び下落し、一時1.0837ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は続伸:供給不安や株高などを意識した買い優勢に

NY原油先物市場は73.77ドル‐75.72ドルのレンジ相場となった。米インフレ指標の鈍化を受けて利上げ観測が後退すると、株高とともに買いが入った。また、イラクとトルコを結ぶパイプラインの稼働停止が続き、供給不安の高まりを意識した買いも相場を支えた。ロンドン市場の序盤にかけて73.77ドルまで下落ひたが、株高や長期金利の伸び悩みを受けて米国市場で反転し、75.72ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引でも主に75ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反落:株高を意識した売りが優勢に

NY金先物市場は1984.20‐2005.50ドルのレンジ相場となった。米インフレ指標が鈍化したことで一時買いが入る場面もあったが、その後は月末・四半期末を控えた持ち高調整売りに押された。欧米の金融システム不安が後退していることも安全資産とされる金相場の重しになった。米国市場の序盤にかけて2005.50ドルまで買われたが、株高を意識した売りが強まり、1984.20ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1987ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:利上げが長引くとの見方後退で買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)4.02%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.471%で終了した。2月米個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率が鈍化したこと受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの見方が後退すると債券買いが広がった。市場では『月末・期末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれた。

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