FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:金融混乱への警戒感が一段と緩和で買い優勢に

NYダウは323.35ドル高の33717.60ドル、ナスダックは210.16ポイント高の11926.24ポイントで取引は終了した。金融混乱への警戒感が一段と緩和し、寄り付き後は上昇した。ヨガアパレルのルルレモン(LULU)や半導体のマイクロン(MU)の決算を受けて投資家心理がさらに改善し、終日堅調に推移した。利上げ停止も視野に入ったため特にハイテクの買戻しが目立ち、相場の上昇をけん引。終盤にかけ半導体インテル(INTC)が投資家向けイベントで新データセンターチップを巡る計画の詳細を発表すると、相場を一段と押し上げ、上昇幅を拡大し終了した。VIX指数は19.97から19.12へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク志向改善からドル買い優勢に

ドル/円は、欧米の金融システム不安や米景気減速に対する警戒感が和らぎ、世界的に株価が上昇した。投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢になった。レジスタンスとして意識されていた一目均衡表雲の上限132.70円を上抜けて一時132.89円まで上値を伸ばした。市場では『金融システム不安が一段と和らいだことで、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ停止や利下げ転換の時期が遠のくとの見方が高まった』との声が聞かれた。なお、パウエルFRB議長はこの日、米共和党議員との非公式会合で『年内あと1回の追加利上げを想定している』との考えを示したと伝わった。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を意識したユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0871ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。FRBが利下げに転換するとの期待が後退したことでユーロ売り・ドル買いが進み、1.0824ドル付近まで下押しした。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反落:利益確定売りが増える

NY原油先物市場は72.76ドル⁻4.37ドルのレンジ相場となった。この日公表された米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計では、原油在庫が予想に反して大幅な取り崩しとなった。一時は74.37ドルまで上昇する場面もあったが、その後は利益確定目的の売りに押されて失速し、取引時間終盤には下げに転じた。米国市場の序盤にかけて74.37ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで72.76ドルまで反落した。ただ、その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は反落:欧米株高を意識した売りが優勢に

NY金先物市場は1976.40‐1993.20ドルのレンジ相場となった。金融システム不安が和らぎ、欧米株式相場が全般堅調推移となるなか、安全資産とされる金需要が弱まった。アジア市場の序盤に1993.20ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。ロンドン市場の序盤に1976.40ドルまで売られた。米国市場の序盤に1990.30ドルまで反発したが、株高を意識した売りが観測され、1979.10ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に1985ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場ではまちまち:ポジション調整による買い支え

米国債券市場で中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比で変わらずの3.57%で終了した。米欧の金融システムに対する不安が一段と和らぐ中、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出たものの、月末・四半期末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入ると持ち直した。ただ、7年債入札が『低調』だったこともあり、戻りも鈍かった。

 

米VIX指数は低下するがMOVE指数は高止まり:US Dashboard

米欧の金融システムに対する過度な不安が和らぎ、29日の米国相場は堅調な展開になった。米銀シリコンバレーバンク(SVB)破綻をきっかけに上昇していた米国株の変動性指数(VIX)は、不安心理が高まった状態とされる20を下回っている。一方、米国債の予想変動率を示す「MOVE指数」は一時より低下したが高水準にある。この日は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、米共和党議員との非公式の会合で、追加利上げの可能性を示唆したとの報じられている。金融システム不安が後退すれば、再び金融引き締め観測が広がる可能性もある。

 

パウエルFRB議長が「年内あと1回の利上げを想定」:共和党議員との会合で

米FRBのパウエル議長は29日、「委員の政策金利見通しは年内あと1回の追加利上げを想定している」と、追加利上げの可能性を示唆した。ブルームバーグ通信などが29日午後に報じた。米共和党議員との非公式の会合で金融政策見通しについての議員の質問に答えた。議長は供給網(サプライチェーン)の混乱によるインフレはほぼ緩和されたとの見解で、供給制約によるインフレ懸念が和らいでいるとの認識も示した。報道によると、議長は「議会が預金保険対象の上限引き上げを検討すべきだ」とも主張したという。シリコンバレーバンクなどの破綻では25万ドルの保護限度額を超える預金を持つ顧客が一気に資金を引き出したことが原因となっていた。

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