FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:金融す案の緩和から買い優勢に

NYダウは194.55ドル高の32432.08ドル、ナスダックは55.12ポイント安の11768.84ポイントで取引を終了した。地銀ファースト・シチズンが経営破綻したシリコンバレー銀行のローンや預金買収で合意したとの報道で金融不安が緩和し寄り付き後は上昇した。経営難が懸念されているファースト・リパブリック(FRC)など他の地銀、金融セクターを押し上げ相場の上昇をけん引した。NYダウは終日堅調に推移した。その後、長期金利の上昇を警戒しハイテクは売りに転じ、結局はまちまちで終了した。VIX指数は21.74から20.60へ低下した。

 

NY外国為替市場:金融システム不安が和らぎ円売り優勢に

ドル/円は、『米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した』との報道が伝わると、金融システム不安に対する強い警戒感が和らぎ欧米株相場が底堅く推移した。投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが優勢となった。『米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している』と伝わったことも円売り・ドル買いを促し、一時131.76円と日通し高値を更新した。なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、明日28日に米上院銀行委員会公聴会に出席するバーFRB副議長(銀行監督担当)の冒頭証言を公表した。バー副議長は『システムを安全かつ健全に保つために必要なら、金融機関の規模にかかわらず、すべての手段を使う用意がある』と表明する。

 

ユーロ/ドルは、金融システム不安に対する過度な警戒感が和らぐ中、先週末に大きく売られたドイツ銀行が大幅反発すると、投資家心理が改善しユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.0800ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:需給ひっ迫懸念を意識した買い

NY原油先物市場は69.13ドル‐73.10ドルのレンジ相場となった。イラク北部の油田とトルコを結ぶパイプラインの稼働が停止したとの報道を受け、需給ひっ迫懸念が意識された。また、欧米金融システム不安が和らいだことも相場の支援材料となった。アジア市場で69.13ドルまで売られたが、欧米金融不安を巡る需給悪化の思惑は後退したことから、米国市場で73.10ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に73ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇から利益確定売り優勢に

NY金先物市場は1945.00‐1984.00ドルのレンジ相場となった。『米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した』と伝わり、投資家のリスク志向が改善した。安全資産とされる金には利益確定売りが持ち込まれた。アジア市場の序盤に1984.00ドルまで買われたが、売りが次第に強まり、米国市場の序盤にかけて1945.00ドルまで下落した。長期金利の上昇が嫌気された。通常取引終了後の時間外取引では主に1958ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米金融システムの過度な懸念和らぎ売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.22%高い(価格は下落)3.99%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.16%高い3.53%で終了した。米金融システムを巡る過度な懸念が和らぐと、これまでリスク回避を目的に買われていた米国債が売られた。2年債入札が『低調』と受け止められたことも相場の重しになった。

 

米中小銀行の株価上昇:SVB継承先決定を好感

27日の米株式市場で中堅・中小銀行株が軒並み上昇した。経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)の買い手が決まり、破綻処理の前進を市場が好感した。預金流出が落ち着いていくとの期待も支えになっている。SVBの預金・資産取得で合意したノースカロライナ州地盤の銀行持ち株会社、ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズの株価は前週末比54%高と急伸した。事業拡大で直接の恩恵を受ける同行だけでなく、ほかの銀行にも株高の流れは及んだ。経営不安の続く中堅行ファースト・リパブリック・バンクの株価は12%高となり、キーコープは5%高、パックウェスト・バンコープとウェスタン・アライアンスはともに3%高となった。SVB売却先探しが長引くリスクが解消し、買われた。地銀株全体の値動きを示す上場投資信託(ETF)「SPDR S&P地銀ETF」は一時4%あまり上昇した。中堅・中小行の流動性不安の根っこにある、預金流出が和らぐとの観測も出てきた。米連邦準備理事会(FRB)の集計では9~15日に1200億ドル(約15兆7800億円)もの預金が中堅・中小行から流出したが、米CNBCは25日、関係者の話として中堅・中小行から大銀行への送金は足元で減速していると伝えた。27日の開始直後に大幅高だった中堅・中小行の株価は次第に上げ幅を縮めるなど、警戒感の根強さもうかがわせる。SPDR S&P地銀ETFは結局1%高で取引を終えた。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ