FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:金融不安の後退から上げ幅拡大

NYダウは316.02ドル高の32560.60ドル、ナスダックは184.57ポイント高の11860.11ポイントで取引を終了した。イエレン財務長官が講演で金融システムにも影響しかねない中小銀行保護で必要なら再び介入する方針を表明したため地銀が買い戻され寄り付き後は上昇した。期待されていた全預金保護などの規制変更の決定は『まだ時期尚早』としたため、早期の保護拡大への期待が後退し、一時伸び悩んだ。しかし、長官は同時に、現時点で金融システムは堅調との見解を示したことも金融不安後退につながり終盤にかけて、再び上昇幅を拡大し終了した。VIX指数は24.15から21.38へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金融システム懸念が後退したことでドル買い戻し

ドル/円は、経営不安に陥っているスイス金融大手クレディ・スイスについて、週末に同業のUBSが買収することで合意したほか、米連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中銀が米ドル資金供給の拡充で協調を決定しいた。当局による一連の迅速な措置を受けて、欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らいだ。欧州株相場が大幅に続伸すると、リスク回避の動きが巻き戻される格好となり円売り・ドル買いが進んだ。イエレン米財務長官はシリコンバレー銀行(SVB)など経営破綻した中堅銀行2行の預金を全額保護したことに関して、『他の銀行でも預金の取り付け騒ぎが発生すれば、同様の措置を取る』と明言した。金融システム不安の拡大を防ぐために断固とした対応を取る姿勢を示した。米国株相場が堅調に推移すると円売り・ドル買いがさらに進み、一時132.63円と日通し高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らぐ中、株価が上昇すると投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。イエレン米財務長官の発言で米金融システム不安への警戒が後退し、米国株が上昇したことも相場の支援材料となり、一時1.0788ドルと2月14日以来の高値を付けた。その後も1.07ドル台後半での値動きが続いた。

 

NY原油先物市場は続伸:欧米の金融不安緩和を好感した買い優勢に

NY原油先物市場は66.90ドル‐69.77ドルのレンジ相場となった。金融システム不安の緩和が景気の先行きに関する不安感を緩めた。景気改善によるエネルギー需要の回復が意識され、原油相場は買い優勢で推移した。ロンドン市場の序盤にかけて66.90ドルまで売られたが、欧米金融不安は緩和し、米国株式は上昇していることから、原油先物は69.77ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引でも69ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに大幅反落:金融不安後退で利益確定売り優勢に

NY金先物市場は1938.60‐1988.70ドルのレンジ相場となった。欧米金融機関に関する不安感がいったん後退した。安全資産として買われ約1年ぶりの高値圏で推移していた金の利食い売りが強まった。明日に米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表のイベントを控えていることも、高値圏でのポジション整理を誘った。アジア市場で1988.70ドルまで買われたが、欧米金融不安は緩和されており、欧米株式はしっかりとなったこと、米長期金利の上昇を意識して米国市場の後半にかけて1938.60ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1942ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:金融システム不安後退で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.18%高い(価格は下落)4.16%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い3.60%で終了した。イエレン米財務長官が金融システム不安の拡大を防ぐために断固とした対応を取る姿勢を示すと、安全資産とされる米国債に売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。

 

 

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