FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:米金融不安の後退を好感した買い

NYダウは336.26ドル高の32155.40ドル、ナスダックは239.31ポイント高の11428.15ポイントで取引は終了した。2月消費者物価指数(CPI)が想定通り伸びの鈍化基調を示したほか、財務省高官が当局の保証額以上の預金も含め全預金の安全性を確認する発言を受けて連鎖的な破綻への懸念が後退して寄り付き後は大幅上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測再燃で金利が上昇したため伸び悩んだ。また、ロシア軍戦闘機との衝突で偵察用無人機が墜落したとの軍の発表を受け、地政学的リスクの上昇を警戒した売りに上げ幅を縮小。しかし、終盤にかけ買戻しが再開し、主要株式指数はプラス圏で終了した。VIX指数は26.52から23.73へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の巻き戻しによるドル買い戻し

ドル/円は、米国株相場が上昇して始まるとリスク回避の巻き戻しによる円売り・ドル買いが先行。米2年債利回りが41bp超上昇するなど、米金利上昇に伴う円売り・ドル買いも出て一時134.90円と日通し高値を更新した。前日にかけて急落した銀行株が買い直されたことで、NYダウは一時480ドル超上昇した。2月米消費者物価指数(CPI)が前年同月比6.0%上昇と市場予想通り8カ月連続で鈍化したことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った面もあった。ただ、NYダウが下げに転じるとドル円の上値も重くなり、一時133.99円付近まで下押しする場面があった。米銀の相次ぐ破綻による金融システムへの不安は根強い。

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.0679ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。複数の米銀破綻を受けて金融システムリスクへの警戒が広がる中、米金融当局が前週末に預金の全額保護や資金供給などの救済策を発表した。この日の欧米株価が反発したことで、リスク回避の巻き戻しによるユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.0750ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は続落:米金融不安が引き続き上値が重く続落

NY原油先物市場は70.78ドル‐74.90ドルのレンジ相場となった。米株が反発すると原油先物にも買いが集まる場面もあったが、米金融不安が引き続き上値が重く続落して引けた。引けにかけては米株高の勢いが弱まると、原油先物は71ドル台前半まで下げ幅を広げた。アジア市場の前半で74.90ドルまで買われたが、リスク回避の売りが次第に強まり、米国市場の後半にかけて70.78ドルまで一段安となった。米国株式が反発したことから71.59ドルまで戻した。米国経済の先行き不安は払しょくされていないため、通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:過度なリスク回避のの動き後退で売り優勢に

NY金先物市場は1899.80-1919.40ドルのレンジ相場となった。この3営業日は米金融不安により、安全資産とされる金先物は大幅に続伸していたが、本日は米株が反発、米債も売られるなど、過度なリスク回避の動きが弱まったことで4日ぶりに反落して引けた。アジア市場で1919.40ドルまで買われたが、金融不安の増大を警戒した買いは一巡し、米国市場の序盤にかけて1900ドルを下回った。ただ、米利上げ長期化の可能性は低下しており、通常取引終了後の時間外取引では1910ドルを挟んだ水準で推移し、下げ渋った。

 

米国債券市場は反落:リスク回避の動きが後退すると売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.27%高い(価格は下落)4.24%で終了した。また、米10年債利回りは前営業日比0.12%高い3.69%で終了した。米国株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

来週のFOMCでは見送り観測は後退─ US Dashboard

米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が算出する「Fedウオッチ」によると、来週21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利上げ確率は、0.25%が79.7%へと上昇する一方、据え置き(見送り)は20.3%へ低下した。0.5%利上げはゼロ%のままだった。

 

2月米CPIが市場予想に一致、航空運賃や住居費など概して堅調=ゴールドマン

2月の米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%上昇、前年同月比6.0%上昇となり、それぞれ市場予想に一致した。前月から伸びが鈍化したものの、長期金利が上昇し、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げ織り込み度は65.0→79.7%に上昇し、据え置き予想は35.0→20.3%に低下した。ゴールドマン・サックスは14日付のリポートで「2月のコアCPIは前月比0.45%上昇し、市場予想の0.4%をやや上回った。航空運賃が6.4%上昇したことが0.04パーセントポイント寄与したが、自動車保険や住居費(シェルター)カテゴリーも概して堅調だった」との見解を示した。リポートでは、中古車価格は引き続き下落したものの、オークション価格が急上昇していることは3月、4月の反発を示唆しているとも指摘した。

 

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