FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:富裕層や法人の増税を嫌気した売り

NYダウは543.54ドル安の32254.86ドル、ナスダックは237.65ポイント安の11338.36ポイントで取引を終了した。新規失業保険申請件数が増加したため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念が後退し、金利低下に伴う買いに寄り付き後は上昇した。昼にかけ、バイデン大統領が24年会計年度(23年10-24年9月)の6.9兆ドル規模の予算案を発表、富裕層や法人の増税が含まれることを嫌気して、売りに転じた。さらに、暗号資産関連のシルバーゲートキャピタルに続きテクノロジーなど新興企業向けの商業銀行サービスを提供するSVBファイナンシャル・グループ(SIVB)株の急落で、地銀などの含み損拡大が明らかになりつつあり、終盤にかけて危機警戒感に売りが加速した。下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は19.11から22.61へ上昇した。

 

NY外国為替市場:重要イベント控えポジション調整のドル売り

ドル/円は、アジア市場では一時137.38円まで買われる場面もあったが、200日移動平均線が位置する137.44円がレジスタンスとして意識されると失速した。明日の日銀金融政策決定会合や2月米雇用統計など重要イベントを前に、ポジション調整目的の売りも出た。NY市場に入ると、前週分の米新規失業保険申請件数が21.1万件と予想の19.5万件よりも弱い内容だったことが伝わり、全般ドル売りが進行し、一時135.95円と日通し安値を付けた。ただ、135円台では押し目を拾いたい向きも多く、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。米金融引き締めが長期化するとの観測から円売り・ドル買いが出やすい面もあり、136.48円付近まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、明日の米雇用統計を前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入ったほか、米10年債利回りが3.89%台まで低下したことが相場の支援材料となった。低調な米労働指標を受けて全般ドル売りが進むと、一時1.0591ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日続落:株安を意識した売り優勢に

NY原油先物市場は75.45ドル‐78.06ドルのレンジ相場となった。米雇用指標の悪化でエネルギー需要後退を招くとの懸念から売りが優勢となった。米国株が軟調に推移したことも売りを促した。ロンドン市場の序盤に76ドル台前半まで下げた後、米国市場の中盤にかけて78.06ドルまで反発したが、株安を意識した売りが強まり反落した。通常取引終了後の時間外取引で75.45ドルまで一段安となった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:株安とドル安で買い優勢に

NY金先物市場は1815.40‐1839.40ドルのレンジ相場となった。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことでドルが下落すると、ドルと『逆相関』が生じやすいとされる金は買いが優勢となった。アジア市場で1815.40ドルまで売られたが、米金利高を警戒した取引はロンドン市場で一巡し、米国市場の中盤にかけて1839.40ドルまで買われた。その後1830ドルを一時下回ったものの、株安を意識した買いが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1835ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:米国株の大幅安を受けて買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比0.19%低い(価格は上昇)4.87%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.90%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが米景気に及ぼす影響が懸念されて、米国株相場が大幅に下落。相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

 

米新規失業保険申請件数は高水準:US Dashboard

9日に発表された米新規失業保険申請件数は21万1000件と前週から2万1000件増え、2022年12月以来の水準となった。4週間移動平均は19万7000件と前週から4000件増え、市場予想の19万6000件を上回った。総受給者数は171万8000人と、前週の改定値から6万9000人増え、22年12月以来の高水準となった。2月に発表された1月の米雇用統計以降、米経済指標は上振れが続いた。労働市場の緩和を示す指標が発表されたことで、10日発表の2月の米雇用統計は一段と注目される。

 

Fedウオッチのターミナルレートは5%台後半:US Dashboard

米連邦準備理事会(FRB)は21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、11日から金融政策に関する対外発信を控えるブラックアウト期間に入る。日本時間10日6時現在の米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ』によると、3月の利上げ幅は0.55が6割強。ターミナルテートは5%台後半。2023年末から24年初にかけて利下げ転換が見込まれるが、足元の政策金利を下回るのは24年半ば以降とみられる。

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