FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米FRB議長の議会証言を控え様子見ムード

NYダウは40.47ドル高の33431.44ドル、ナスダックは13.27ポイント安の11675.74ポイントで取引を終了した。金利の低下で投資家心理の改善に伴う買いに寄り付き後は上昇した。その後、1月製造業受注が予想を上回り、金利が再び上昇に転じると、警戒感が再燃し上値を抑制した。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が7日、8日に開催される上下両議会での証言でタカ派色を再表明するとの警戒感も広がり、NYダウは上げ幅を縮小した。終盤、ナスダック総合指数は下落に転じ、まちまちで終了した。VIX指数は18.49から18.61へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRB議長の議会証言を前に様子見ムード

ユーロ/ドルは、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが『現在の情報は3月以降の利上げ継続を示唆」と述べたほか、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が「3月、5月、6月、7月に0.50%の利上げを行うべき』との考えを示すと全般ユーロ買いが優勢となり、一時1.0694ドルと2月21日以来の高値を付けた。低下して始まった独10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となった。

 

ドル/円は、21時前に136.19円と日通し高値を付けたものの、24時30分前には135.64円付近まで下押しした。ただ、そのあとは明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を前に様子見ムードが広がり、136.00円を挟んだもみ合いの展開が続いた。なお、明日のパウエルFRB議長の議会証言では『タカ派寄りの発言が警戒されている』との声が聞かれ、一時3.89%台まで低下した米10年債利回りは3.98%台まで上昇した。

 

NY原油先物市場は5日続伸:中国経済の持続的な成長期待から買い優勢

NY原油先物市場は78.32ドル‐80.63ドルのレンジ相場となった。外国為替市場で対ユーロ主導でドル安が進むと、ドル建てで取引される原油の割安感が意識され、買いが強まった。ロンドン市場で78.32ドルまで下げたが、中国経済の持続的な成長への期待で反転し、米国市場の後半にかけて80.63ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引でも80ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は横ばい:利食い売りが強まる

NY金先物市場は1850.60‐1864.30ドルのレンジ相場となった。時間外で米長期金利が低下したことに伴って一時1880ドル台乗せる場面があった。ただ、中国の景気減速懸念から金需要の低下が意識されると上げ幅を消した。アジア市場で1864.30ドルまで買われた後は利食い売りが強まり、米国市場の後半にかけて1850.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1852ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:FRB議長の議会証言控えタカ派発言の警戒ムード

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.89%で終了した。また、長期ゾーンは変わらずだった。米10年物国債利回りは前営業日と同様の3.96%だった。前週末の流れを引き継いで買いが先行したものの、買い一巡後は売りが優勢となり下げに転じた。明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言では『タカ派寄りの発言が警戒されている』との指摘があった。

 

パウエル議長の議会証言は3月に50bp利上げの憶測を煽ることはない=エバコア

7日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米上院銀行委員会で議会証言に臨む。エバコアISIは6日付のリポートで『パウエル議長は、次の経済指標で1月の好調さが確認されれば、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)でターミナル・レートを調整的に引き上げることに道を開くと思われるが、最大限のタカ派に転じたり、5bpの利上げの憶測を煽ることはないだろう』との見解を示した。リポートでは、今後出てくる経済指標が強いものの、非常識なほど強くない場合、『3月の四半期経済見通し(SEP)におけるターミナル・レートの中央値を5.25~5.50%に上昇させ、25bpの利上げペースで進めることを継続することがメッセージと一致すると考える』と指摘した。FRBが3月に50bpの利上げを行うのは、インフレ期待、賃金、サービスインフレが危険なほど再加速する場合、または次の経済指標が非常に強力で、ターミナル・レートの中央値が上昇することになる場合に限られると考えている』とも指摘。1月の経済指標が強かったものの、『我々はFOMCが潜在的なノイズに留意しつつも、現れるシグナルに再び適応する準備をする、慎重なアプローチを好んでいると見ている』とも指摘した。

 

株式のエクスポージャー拡大意向が過去最低を再び更新:JPモルガン

JPモルガンが顧客を対象に毎週行っている調査によると、今後数日~数週間で株式エクスポージャーを拡大すると答えた比率は前週の35%から30%に低下し、2月上旬に記録した32%を下回り過去最低を更新した。現在の株式のポジショニングについて、過去平均の30~40パーセンタイルと答えた比率が26%と最も多く、50~60パーセンタイルの18%、20~30パーセンタイルの16%が続いた。JPモルガンは同リポートで、今年に入り株式市場は好調さを維持しているものの、マクロ面での弱体化もあり、中央銀行が利下げサイクルに入るまで株式市場は底打ちしないとの見方を示した。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ