FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米アトランタ連銀総裁のハト派発言を好感

NYダウは341.73ドル高の33003.57ドル、ナスダックは83.50ポイント高の11462.98ポイントで取引を終了した。前日に発表した決算と業績見通しが予想を上回ったセールスフォースが大幅高となり、相場を押し上げた。タカ派とされるボスティック米アトランタ連銀総裁が『21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げを支持する』と述べたことも買い安心感につながった。NYダウの上げ幅は420ドルを超える場面があった。VIX指数は20.58から19.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:強い米雇用指標受け米長期金利上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、10-12月期米単位労働コスト改定値が前期比年率3.2%と予想の1.6%を上回り、前週分の米新規失業保険申請件数が19.0万件と予想の19.5万件より強い内容だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時137.09円と昨年12月20日以来の高値を更新した。米10年債利回りは一時4.0893%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した。ただ、137円台では利食い売りや戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。市場では『200日移動平均線が位置する137.27円付近が重要なレジスタンスとして意識されている』との声も聞かれ、136.55円付近まで下押しした。タカ派とされるボスティック米アトランタ連銀総裁はこの日、『米連邦準備理事会(FRB)による利上げの影響が本格的に発現するのは今春以降となる可能性がある』と述べたうえで、『この点が当面は0.25%の緩やかな利上げを行う根拠になる』と発言。市場では『21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.50%に拡大する』との観測が浮上していただけに、この発言がドルの重しとなった面もあるようだ。

 

ユーロ/ドルは、米労働市場の底堅さを示す指標が発表されると、FRBによる利上げが長期化するとの観測が改めて強まり、ユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0577ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0565ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。ボスティック総裁の発言で『今月のFOMCでの利上げ幅は警戒していたほど大きくならない』との見方が浮上したことも買い戻しを誘ったようだ。

 

NY原油先物市場は3日続伸:中国の需要回復期待から買い優勢に

NY原油先物市場は77.23ドル‐78.59ドルのレンジ相場となった。前日に発表された中国の2月PMIが予想以上に改善され、中国経済への期待感が一段と強まり、石油輸入大国である中国のエネルギー需要が回復するとの思惑が相場の支えとなった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化による米景気鈍化への懸念も強く、上値は限られた。アジア市場で77.23ドルまで下げたものの、まもなく反転し、米国市場の中盤にかけて78.59ドルまで買われた。ただ、その後は米長期金利の上昇やドル高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では78ドルを挟んだ水準で推移した。

 

N金先物市場は4日ぶりに反落:米長期金利高とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1835.90‐1845.30ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇が止まらず、金利がつかない金に売り圧力を強めた。また、為替相場でドル高が進んだことや、米株が上昇したことも金の売りを後押した。アジア市場で1835.90ドルまで売られたが、米国市場の中盤にかけて1845.30ドルまで買われた。ただ、ドル高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に1842ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米FRBによる金融引き締め長期化懸念から売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.90%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い4.06%で終了した。米労働市場の底堅さを示す指標が発表されると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が改めて強まり債券売りが広がった。利回りは一時4.0893%前後と昨年11月10日以来約4カ月ぶりの高水準を付けた。

 

ユーロ圏の消費者物価は4カ月連続鈍化もコアは過去最高を更新

欧州連合(EU)基準の2月ユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比8.5%上昇と市場予想の8.2%上昇を上回った。しかし、資源価格高騰が落ち着いたことを反映して、2022年10月に10.6%上昇となって以降4カ月連続で伸び率は鈍化した。エネルギー価格は同113.7%上昇と22年10月の41.5%上昇をピークに4カ月連続で鈍化した。一方、欧州中央銀行(ECB)が注目する価格変動の大きいエネルギーや食品、タバコを除いたコア指数は前年同月比7.4%上昇と市場予想5.4%上昇を上回り、過去最高を更新した。サービス価格が同4.8%上昇と1月の4.4%上昇から大きく伸びが加速した。22年11月の4.2%上昇から再び騰勢を強め、賃金上昇の加速を示した。

 

CTAの米株ポジションはほぼ変わらず:加TD証券

加TD証券は2日時点で商品投資顧問(CTA)の米株先物ポジションについて、Eミニ・S&P500種株価指数先物が過去最大ロング比でマイナス65、Eミニ・ナスダック100先物が同マイナス1%のポジショニングであると推計した。今週に入り、CTAの米株ポジションは小幅売り越しから大きく動いていない。TDは世界のリスク資産全体において方向性に乏しいことからトレンドシグナルが弱まっており、マクロ的なカタリストや大規模な現物フローがない限り、CTAによる大規模なフローが見込めず、短期的には控えめな値動きにとどまる可能性を指摘した。TDは最も近接したCTAの買いトリガーをS&Pで3951、ナスダック100で1万1934とそれぞれ推計している。

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