FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:欧州のインフレ加速を嫌気した売り優勢に

NYダウは232.39ドル安の32656.70ドル、ナスダックは11.44ポイント安で取引は終了した。欧州のインフレ加速で国内のインフレも抑制が困難との見方に金利上昇を警戒した売りに寄り付き後は下落した。金融ゴールドマンの業績低迷に失望した売りがNYダウのさらなる重しとなった。また、2月の消費者信頼感や製造業指数が予想外に悪化し、消費、成長減速への懸念もさらなる売り圧力となり、終日軟調推移となった。ハイテクは値ごろ感からの買いに底堅い展開もプラス圏を維持できず。結局主要株式指数はマイナス圏で終了した。VIX指数は20.95から20.70へ低下した。

 

NY外国為替市場:予想下回る米経済指標結果受けドル売り優勢に

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識される中、米10年債利回りが一時3.9806%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行し、一時136.92円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。ただ、2月米シカゴ購買部協会景気指数や2月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことが分かると一転売りが優勢になった。米10年債利回りが3.89%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時135.74円と日通し安値を更新した。もっとも、引けにかけては136円台前半まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、フランスとスペインの消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことを受けて欧州債利回りが上昇すると、NY勢もユーロ買いで参入した。予想を下回る米経済指標が相次いだこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0645ドルと日通し高値を更新した。ただ、買い一巡後は次第に上値が重くなった。市場では『月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された』との声も聞かれ、一時1.0574ドルと日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は反発:神経質な動きも方向感は限定的

NY原油先物市場は75.55ドル‐77.83ドルのレンジ相場となった。足もとでは米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化観測が引き続き上値圧迫要因となっている一方で、中国での景気回復に伴い、エネルギー需要も拡大するとの期待が相場の支えとなっており、神経質な動きも方向感は限定的だった。アジア市場で75.55ドルまで下げたが、ロンドン市場で77ドル台に上昇した。米国市場の序盤に77.83ドルまで一段高となった。その後は上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では株安を意識して77ドルを下回った。

 

NY金先物市場は続伸:ドル高一服から買い優勢に

NY金先物市場は1810.80‐1838.60ドルのレンジ相場となった。この日発表の米経済指標が予想を下回る結果が相次ぎ、安全資産の金に買いが入った。為替相場でドルが重い動きになったこともドル建ての金の買いを後押した。アジア市場で1810.80ドルまで売られたが、ドル高が一服したことから米国市場の後半にかけて1838.60ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に183ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米FRBによる金融引き締めが長期化観測から売り

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.81%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い3.92%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が高まる中、債券売りが先行した。利回りは一時3.9806%前後と昨年11月10日以来の高水準を付けた。ただ、そのあとはポジション調整目的の買いなどが入り下げ渋った。市場では『月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれた。

 

米インフレ期待が低調基調で消費も将来の鈍化を示唆

米コンファレンスボードが発表した2月消費者信頼感指数は102.9と、1月106.0から上昇予想に反して低下し昨年11月来の低水準となった。現況は改善し22年4月来で最高に達したものの期待が落ち込み、全体指数を押し下げた。将来のビジネス、雇用、賃金の状況は需要の鈍化を示唆した。高インフレにより家計の貯蓄は減少傾向で、クレジットカード依存度が増している。連邦準備制度理事会(FRB)が政策決定において重要視している今後12カ月のインフレ期待は6.3と、6.7から大幅低下した。結果は、ペースは遅いが、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ効果が出てきた証拠となる。

 

米12月S&P住宅価格指数は予想以上に鈍化

米12月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は前年比+4.65%となった。伸びは4月に2001年来最大を記録したのち、8カ月連続で鈍化。パンデミックにより経済が封鎖した直後の20年7月来で最低となった。米連邦住宅金融庁(FHFA)が発表した12月FHFA住宅価格指数は前月比‐0.1%と、11月-0.1%に続き2カ月連続のマイナスとなった。事前に発表された米1月卸売在庫速報値は前月比-0.4%と、予想外に12月+0.1%から20年7月来のマイナスに落ち込み、20年6月来で最低。米1月前渡商品貿易収支は915億ドルの赤字と、赤字幅は12月897億ドルから予想以上に拡大した。

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