FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:リッチモンド連銀総裁発言や週末絡みの買い優勢

NYダウは129.84ドル高の33826.69ドル、ナスダックは68.56ポイント安の11787.72ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派発言を受けた利上げ加速を懸念した売りが続き、寄り付き後は下落した。その後、リッチモンド連銀のバーキン総裁が柔軟な対応のため25bpの利上げに支持を表明したため大幅利上げへの懸念が緩和し、売りの勢いも弱まった。終盤にかけ、連休を控えた買戻しが先行しNYダウは上昇に転じた。ナスダック総合指数も下げ幅を縮小したが下げを消せずまちまちで終了となった。VIX指数は20.17から20.02へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル高から一変してポジション調整目的のドル売り

ドル/円は、今週発表の米物価指標の上振れを受けて米インフレの高止まりが意識されたほか、米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派的な発言が相次いだことで、米利上げが長期化するとの観測が高まりドル買いが進み、一時135.10円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。ただ、135円台で上値の重さを確認すると持ち高調整目的の売りに押された。米国の3連休を控えた週末とあってポジション調整目的の売りも観測されると、134.06円付近まで下押しした。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値133.94円はサポートされた。なお、ボウマンFRB理事は講演で『インフレは依然として高すぎる』『インフレを目標に戻すには長い道のり』『さらなる進展が見られるまで利上げを続ける必要がある』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、FRBによる利上げが当面続くとの観測からユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.0613ドルと1月6日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になり、一時は3.9252%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した米10年債利回りが3.80%台まで低下したことがドル売りを促し、1.0698ドルと日通し高値を付けた。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。ビルロワドガロー仏中銀総裁は講演で『欧州中央銀行(ECB)の政策金利は夏にかけて、遅くとも9月にはピークに達するだろう』と述べた一方、『年内の利下げは問題外』などと発言した。市場では『ECBが金融緩和に転じる時期が遠のいた』との見方が広がった。

 

NY原油先物市場は4日続落:需給ひっ迫の思惑後退で売り優勢に

NY原油先物市場は75.32ドル‐78.50ドルのレンジ相場となった。米金融引き締めの長期化が意識され、時間外取引から売りが先行。今週の米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で大幅な在庫積み増しが確認されたことや、ロシアが現行の原油供給水準を維持する見通しと伝わり、需給の緩みを警戒した売りも出た。一時75.06ドルまで下押す場面も見られた。アジア市場で78.50ドルまで買われたが、需給ひっ迫の思惑が後退したことやポジション調整の売りが入ったことで米国市場の序盤にかけて75.32ドルまで下落した。その後、押し目買いが入ったことで下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では76ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は小反落:米長期金利低下とドル安から後半買い戻し

NY金先物市場は1827.70‐1853.10ドルのレンジ相場となった。米利上げの長期化懸念を手掛かりにした売りが先行し、時間外取引では一時1820ドル台まで弱含む場面もあった。もっとも、その後は外国為替市場でドルが戻り売りに押されたことに伴い、ドル建てで取引される金の割安感を意識した買い戻しが入った。ロンドン市場で1827.70ドルまで売られたが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで米国市場の後半にかけて1853.10ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では1850ドルを上回る水準で取引された。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整による買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.62%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比低い3.82%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。3連休を控えた週末を前に、ポジション調整目的の買いも入った。なお、利回りは時間外取引で一時3.9252%前後と昨年11月10日以来の高水準を付ける場面があった。

 

欧州ガスが50ユーロ割れとなり不足懸念和らぐ

欧州の天然ガス価格が下落している。リフィニティブが算出する欧州の天然ガス指標のオランダTTFの翌月渡し物価格は17日に一時、1メガワット時あたり50ユーロを1年5カ月ぶりに下回った。記録的な暖冬で消費が抑えられて例年よりも高い貯蔵率を維持できており、ガス不足への懸念が和らいでいる。オランダTTFは340ユーロ今日でピークとなった2022年8月と比べて約85%安、22年末と比べても3割安となっている。業界団体GIEによると、欧州連合(EU)全体の天然ガス貯蔵率は23年2月15日時点で65%と、21~22年の同時期の30~40%前後を上回っている。ロシアから供給不安で冬到来を前に準備を進めて貯蔵率を高めていたところ、23年初めの欧州の記録的な暖冬という追い風も吹いて、想定よりもガスが消費されなかった。もっとも、中国のゼロコロナ政策の緩和で液化天然ガス(LNG)の需要増が見込まれており、欧州にも波及して価格が再上昇する懸念も残っている。

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