FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米利上げ継続を警戒した売り優勢

NYダウは431.20ドル安の33696.85ドル、ナスダックは214.76ポイント安の11855.83ポイントで取引を終了した。週次失業保険申請件数が減少、1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったため利上げ継続を警戒した売りに寄り付き後は下落した。さらに、本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権は持たないがクリーブランド連銀のメスター総裁が前回の会合で50ベーシスポイント(BP)の利上げを支持していたことを明らかにすると下げ幅を拡大した。押し目買いなどに一時下げ幅を縮小したのち、終盤にかけ、セントルイス連銀のブラード総裁が3月会合でも50BPの利上げも選択肢と言及すると売りが加速し相場を再び押し下げた。主要株式指数は一段安となり終了した。VIX指数は18.23から20.17へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米金融引き締めの長期化が意識されドル買い優勢に

ドル/円は、14日の1月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の1月米卸売物価指数(PPI)も予想を上回ると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識されて、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時134.46円と1月6日以来の高値を更新した。メスター米クリーブランド連銀総裁が『金利は5%を超えてしばらくそこにとどまる必要がある』『前回のFOMCでは0.50%の利上げでも説得力があった』と述べたことで、市場では『3月のFOMCでは0.50%の利上げもあり得るのではないか』との思惑も浮上した。ただ、1月6日の高値134.77円がレジスタンスとして意識されると失速した。NYダウが一時440ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことも相場の重しとなり、133.70円付近まで押し戻された。ブラード米セントルイス連銀総裁が『前回FOMCでは0.50%の利上げを主張』『3月FOMCで0.50%の利上げを支持する可能性を排除しない』と発言すると134.02円付近まで強含む場面もあったが、戻りは鈍かった。

 

ユーロ/ドルは、米インフレ指標の上振れで、米利上げの長期化観測が強まると全般ドル買いが優勢となり、一時1.0655ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが3.8705%前後と昨年12月30日以来の高水準を付けたことも相場の重し。その後の戻りも1.0698ドル付近にとどまった。

 

NY原油先物市場は3日続落:株安を意識した売りが優勢に

NY原油先物市場は78.18ドル‐79.76ドルのレンジ相場となった。78ドル半ばの前日終値付近を挟んで方向感なく上下した。昨日の米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計では大幅な在庫積み増しが確認された一方、国際エネルギー機関(IEA)が石油需要の拡大を指摘したこともあり、需給を意識した方向感も出にくい状況だった。ロンドン市場の序盤で79.76ドルまで買われたが、株安を意識した売りが強まり、米国市場の後半で78.18ドルまで下落した。ただ、需給ひっ迫の可能性は残されており、売りは一巡した。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移している。

 

NY金先物市場は反発:ドル安を意識した買い優勢に

NY金先物市場は1836.60‐1854.90ドルのレンジ相場となった。米インフレ指標の上振れが相次いだことを受け、米長期金利が上昇したことが相場の重しとなった。もっとも、一巡後は外国為替市場でドルが戻り売りに押されたことに伴い、ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入り、取引終盤にはプラス圏に浮上した。ロンドン市場で1854.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を警戒した売りが強まり、米国市場の序盤で1836.60ドルまで下落。ただ、株安を受けた買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1850ドルを上回る水準で取引された。

 

米国債券市場は下落:米利上げ継続観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)4.66%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.86%で終了した。1月米卸売物価指数(PPI)の上振れで、米利上げ継続観測が高まると債券売りが優勢となった。利回りは一時3.8705%前後と昨年12月30日以来の高水準を付けた。

 

GPIFなど3共済の売り越し余地は1.3腸炎:大和証券

大和証券はリポートで、22年12月末以降の試算価格の変動のみを考慮すると年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と3共済の売り越し余地の合計を約1.3腸炎と試算した。前週から外国株が上昇し国内株の資産構成割合が相対的に低下したことなどで、日本株の売り越し余地が縮小した。なお、東証の投資主体別売買動向で、年金の売買を反映するとみられる信託銀行は13週連続で売り越しとなっている。

 

米失業保険申請件数は減少基調に一服感も:US Dashboard

米新規失業保険申請件数は19万4000件と前週から1000件減り、市場予想の20万件を下回った。一方、低下基調が続いていた4週間移動平均線は小幅ながら増加に転じた。総受給者数も前週から1万6000人増え、169万6000人となった。

 

米住宅着工は2年7カ月ぶりの低水準:US Dashboard

1月の米住宅着工件数は130万9000戸と前月の137万1000戸から減少し、2020年6月以来、2年7カ月ぶりの低水準となった。減少は5カ月連続で、米住宅需要の冷え込みが続いていることが改めて示された。先行指標である許可件数は133万9000戸と4カ月ぶりに前月133万7000戸から増えた。ただ、増加は小幅で減少基調は続いている。

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