FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:インフレ鈍化を期待した買い戻しが優勢に

NYダウは376.66ドル高の34245.93ドル、ナスダックは173.67ポイント高の11891.79ポイントで終了した。1月消費者物価指数(CPI)でインフレ鈍化を期待した買戻しが先行し、寄り付き後、上昇。欧州委員会が23年の欧州の成長見通しを引上げリセッション回避期待が国内経済にもプラスに寄与するとの楽観的見方も強まり、さらに買われた。その後、1月NY連銀消費者調査結果で、家計収入の伸び率予想が前月から大幅に低下したことが明らかになると、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化懸念も後退し、終盤にかけて相場を一段と押し上げて終了した。VIX指数は20.53から20.34へ低下した。

 

NY外国為替市場:日本の金融緩和の修正に対する警戒感後退で円売り

ドル/円は、1月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、米10年債利回りが一時3.7531%前後と1月5日以来の高水準を記録すると、円売り・ドル買いが先行して、132.91円と日通し高値を更新した。明日14日に政府が次期日銀総裁として国会に提示する方針を固めている植田和男氏が、先週『当面は金融緩和を続ける必要がある』との認識を示したことで、金融緩和策の修正に対する警戒感が緩和していことも円売りを誘った。ただ、引けにかけては132.26円付近まで伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことや、ニューヨーク連銀の最新調査で3年後のインフレ期待が2年3カ月ぶりの低水準となったことが相場の重しになった。なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、『我々が望むほどのインフレ緩和は見られない』『インフレを2%の目標に戻すために利上げを継続する』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、欧州連合(EU)の欧州委員会がユーロ圏の2023年の実質成長率を0.9%と前回の0.3%から上方修正したことで、欧州経済の先行き懸念が和らぎユーロ買いが優勢となった。NYウが一時380ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移するとリスク選好のドル売りも出て、一時1.0730ドルと日通し高値を更新した。NY連銀調査を受けて米インフレ鈍化を期待したユーロ買い・ドル売りも入った。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫を意識した買い優勢に

NY原油先物市場は78.45ドル‐80.62ドルのレンジ相場となった。取引時間中には一時80.62ドルまで上昇するなど底堅く推移していたが、終了後に米当局が戦略原油備蓄からさらに2600万バレルを売却すると発表すると79ドル台前半まで押し戻された。ロンドン市場の序盤にかけて78.45ドルまで下落したが、米国市場では需給ひっ迫を意識した買いが観測されており、一時80.62ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に79ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:持ち高調整目的の売り優勢に

NY金先物市場は1860.80‐1877.20ドルのレンジ相場となった。米インフレの高止まりが警戒されるなか、明日に1月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて持ち高調整目的の売りに押された。アジア市場で1877.20ドルまで買われたが、ドル安を意識した買いは縮小し、米国市場で1860.80ドルまで下落した。ただ、米長期金利の伸び悩みを受けた買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では1863ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場はまちまち:3年後のインフレ期待の低下で買い戻し

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.53%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)3.70%で終了した。1月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、売りが先行した。利回りは一時3.7531%前後と1月5日以来の高水準を付けた。ただ、ニューヨーク連銀の最新調査で3年後のインフレ期待が2年3カ月ぶりの低水準だったことが伝わると、買い戻しが優勢となった。

 

米インフレ期待の1年後は前回と同じ5.0%:NY連銀調査

NY連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は1月に5.0%と前回から横ばいとなった。3年後のインフレ期待は2.7%と前回の2.9%から低下した。5年後のインフレ期待は2.5%と前回の2.4%から上昇した。

 

米国株の短期投資判断を『売り』から『中立』:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは13日付で、米国株の短期にあたる3カ月間の投資判断を『アンダーウエート(売り)』から『ニュートラル(中立)』に引き上げた。債券利回りの上昇リスク軽減と米国のソフトランディングへの確信が、目先のダウンサイドリスクを限定的なものにしているとした。直近、ゴールドマンはS&P500種株価指数の3カ月後の目標を3600から4000に引き上げていた。12か月間の投資判断は『中立』で維持した。株式市場はすでにソフトランディングを織り込んでいるほか、今期と来期の企業収益の伸びが限定的となることから、株式の上昇余地は限定的ともみた。それでも、中国や韓国、欧州といった米国外の株式については「依然として魅力的な上昇余地がある」ともみている。市場が先行きの改善を織り込んだことで、ゴールドマンが算出するリスクアベタイト指標は0.7まで上昇した。ゴールドマンはマクロ環境が良好な限り、同指標は高止まりする可能性を挙げた。一方、同指標が1を上回るとリスク・リワードが悪化し、その後の株式のリターンがマイナスに偏る傾向があるとも指摘している。

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