FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:売り買い交錯の展開

NYダウは169.39ドル高の33869.27ドル、ナスダックは71.46ポイント安の11718.12ポイントで取引を終了した。長期金利の上昇を警戒した売りに寄り付き後は下落した。ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に上昇すると、景気見通し改善に伴う買いが再燃し、NYダウは上昇に転じた。一方で、金利高を警戒しハイテクは終日軟調で推移し、まちまちで終了した。VIX指数は20.71から20.53へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標や米長期金利上昇でドル買い優勢に

ユーロ/ドルは、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの観測が後退する中、米10年債利回りが一時3.7492%前後と1月6日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行した。米ミシガン大学が発表した2月消費者態度指数(速報値)が66.4と市場予想の65.0を上回り、併せて発表された1年先の期待インフレ率が4.2%と予想の4.0%を上回ったこともドル買いを誘い一時1.0666ドルと日通し安値を更新した。なお、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事は『さらなる利上げはインフレを目標に戻すのに寄与する』『インフレ率を2%の目標にタイムリーに戻すために、利上げ方針を維持』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

ドル/円は、日銀の次期総裁人事を巡る報道を受けて、欧州市場序盤には129.81円まで急落する場面があった。ただ、NY市場に限れば底堅い展開だった。良好な米経済指標や米長期金利の上昇が相場を下支えし、一時131.60円付近まで持ち直した。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するハーカー米フィラデルフィア連銀総裁はこの日、『FRBはFF金利を5%超の水準に引き上げてから、利上げをいったん停止するべき』『FRBは現在、0.50%の利上げを必要としていない』などと発言した。

 

カナダドルは全面高となった。ロシアが原油減産の方針を発表したことでWTI原油先物価格が上昇すると、産油国通貨とされるカナダドルには買いが先行した。1月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が15.00万人増と予想の1.50万人増を大幅に上回り、失業率が5.0%と予想の5.1%より強い内容だったことが分かるとカナダドル買いが活発化した。対米ドルでは一時1.3338カナダドル、対ユーロでは1.4243カナダドル、対円では98.58円まで値を上げた。

 

NY原油先物市場は反発:ロシアの減産方針から供給懸念で買い優勢に

NY原油先物市場は77.47ドル⁻80.33ドルのレンジ相場となった。ロシアが原油減産の方針を発表した。供給懸念が買い材料となった。ロシアは、西側諸国が制裁措置としてロシア産の原油や石油製品の価格に上限を設定したことへの対抗措置として、生産量の約5%とされる日量50万バレルの減産を3月から実施する。アジア市場で77.47ドルまで下落したが、ロンドン市場の序盤にかけて80.33ドルまで反発した。ただ、米国市場では長期金利の上昇やドル高を意識した売りが観測されており、一時79ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引では79ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1863.50‐1883.50ドルのレンジ相場となった。米長期金利が上昇し、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味が低下した。2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)とともに発表された1年先の期待インフレ率が4.2%と、4.0%程度を見込んでいた市場予想や1月の3.9%を上回ったことが金利上昇要因として意識された。米金利上昇で、対ユーロなど主要通貨に対してドルが強含んだことも、ドル建て金価格の換算値押し下げに作用した。ドル高によって、ドルの代替資産と位置づけられることもある金の相対的価値が低下した点も売りの一因となった。アジア市場で1863.50ドルまで下落した後、ロンドン市場の序盤にかけて1883.50ドルまで戻した。ただ、米国市場では米長期金利の上昇やドル高を意識した売りが増えたことで1867.50ドルまで反落した。その後は下げ渋ったが、上値の重さは払しょくされず、通常取引終了後の時間外取引では1875ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は続落:期待インフレ率が予想上回り売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.74%で終了した。米ミシガン大学が発表した2月消費者態度指数(速報値)や併せて発表された1年先の期待インフレ率が予想を上回ったことで、債券売りが進んだ。来週14日の1月米消費者物価指数(CPI)への警戒から売りが出た面もあった。

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