FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:FRB高官のタカ派発言受け警戒売り強まる

NYダウは207.68ドル安の33949.01ドル、ナスダックは203.27ポイント安の119010.52ポイントで取引を終了した。NY連銀総裁や連邦準備制度理事会(FRB)の理事など高官が相次いで経済の需要が予想よりも強く、インフレ制御のための追加利上げが必要になると主張したため金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。本日開催された講演でのFRB高官のタカ派発言が続き、終日軟調推移となった。終盤に下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は18.66から19.63へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBのタカ派要人発言がドル下支え

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日のインタビューで『ディスインフレのプロセスが始まった』と発言したことが意識されて、欧州市場では一時130.60円まで値を下げた。ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが一時3.6904%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録したことがドル買いを誘ったほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁がイベントで『インフレ抑制には数年間、十分に制限的な政策スタンスを維持する必要』と述べたことが相場の支援材料となり、一時131.54円と日通し高値を更新した。10年債入札が好調だったことを受けて米10年債利回りが低下に転じると、ドル円も131.09円付近まで伸び悩んだものの、下押しは限定的だった。ウォラーFRB理事が『一部の人々が予想しているよりも長い間、高い金利が必要になる可能性がある』と述べたことが相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.0761ドルまで値を上げたものの、前日の高値1.0766ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。FRB高官らのタカ派的なコメントも相場の重しとなり、一時1.0710ドルと日通し安値を更新した。なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、『市場はインフレ傾向に関して楽観的すぎる可能性』『3月以降の追加利上げを除外しない』と述べたほか、クノット・オランダ中銀総裁は『5月に0.50%の利上げが必要になる可能性』などと発言した。また、カザークス・ラトビア中銀総裁は『3月以降の利上げを休止または停止する理由はない』と語ったが、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は3営業日続伸:中国経済の再拡大を意識した買い

NY原油先物市場は77.08ドル⁻8.57ドルのレンジ相場となった。ゼロコロナ緩和による中国の需要回復への期待と、トルコの地震による同地域の原油輸送停滞が引き続き材料視された。米週間原油在庫の積み増し継続を受けて多少軟化する場面もあったが、強い押し下げ要因にはならなかった。アジア市場で77.08ドルまで下落したが、中国経済の再拡大を意識した買いが観測されており、米国市場で一時78.57ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は3営業日続伸:米長期金利低下と株安から買い優勢に

NY金先物市場は1881.40‐1898.90ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りは一時3.69%まで上昇したものの、3.62%台へ押し返されるなど、米金利が素直に上がりにくい状態だった。金利が付かない資産である金を買いやすい状態のなか米国株が反落した。リスク回避資産を志向する動きも、金の支援材料となった。アジア市場で1898.90ドルまで買われた後、米国市場の序盤にかけて1881.40ドルまで売られたが、米長期金利の伸び悩みを受けて1892.30ドルまで反発した。ただ、1890ドル台で利食い売りも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では1890ドルを下回る水準で取引された。

 

米国債券市場は反発:好調な米10年債入札受け買い戻しの動き

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)4.41%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.61%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言が相次ぐと、米利上げの早期停止観測が後退した。債券売りが先行し、利回りは一時3.6904%前後と約1カ月ぶりの高水準を更新した。ただ、好調な10年債入札をきっかけに債券買いが強まると上げに転じた。

 

米原油在庫は21年6月以来の高水準:US Dashboard

米エネルギー情報局(EIA)が8日発表した米石油在庫統計で原油在庫は、7週連続で増え、2021年6月以来の高水準となった。米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが3日に発表した石油リグ(掘削装置)稼働数は599基と前週から10基減り、21年9月以来の水準にある。需給緩和の思惑から米原油先物相場は上値の重い展開が続いている。

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