FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:本年に米利上げ終了の軌道変わらずの見方から買い

NYダウは265.67ドル高の34156.69ドル、ナスダックは226.34ポイント高の12113.79ポイントで取引を終了した。強い1月雇用統計を受け、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁など連邦準備制度理事会(FRB)高官がタカ派色と強め金利高を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。その後、パウエル議長がインタビューで連邦公開市場委員会(FOMC)会見と同様、ディスインフレの初期段階であると再表明し金利が低下すると上昇に転じた。議長が同時に、強い雇用データが続いた場合はピーク金利が上昇する可能性に言及すると一時下落に転じる荒い展開となった。しかし、終盤にかけ、本年に利上げ終了の軌道変わらずとの見方に再び買われ、上げ幅を拡大して終了した。VIX指数は19.43から18.66へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長発言受けドル買い優勢に

ドル/円は、しばらくは132.00円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが観測されると、前日の安値131.52円を下抜けた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がエコノミック・クラブ・オブ・ワシントンDCのイベントでインタビューに応じ、『ディスインフレのプロセスが始まった』との認識を改めて示し、『2023年はインフレが大幅に鈍化する年になる見通し』などと述べると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化し、一時130.48円まで下げ幅を広げた。ただ、パウエル議長が前週末の1月米雇用統計について『あれほど強いとは予想していなかった。インフレが2%に戻るまでに長い道のりがあることを明確に示した』と発言し、『好調な労働市場や高インフレ示すデータが続けば、織り込み済み以上の利上げが必要になる可能性がある』との考えを示すと、一転ドルを買い戻す動きが優勢になり、131.48円付近まで下げ渋った。なお、3時前に3.59%台まで低下した米10年債利回りは上昇に転じ、6時過ぎには3.6886%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録した。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の12月独鉱工業生産が予想を下回ったことで全般ユーロ売りが先行した。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が『インフレ抑制に必要な金利のピークは引き続き5.4%前後と予想する』と発言したことなども相場の重しとなり、一時1.0669ドルと1月9日以来の安値を更新した。ただ、パウエル議長が『ディスインフレのプロセスが始まった』と述べ、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で示したインフレ減速の見方をおおむね維持すると、ユーロ買い・ドル売りが優勢になり、1.0766ドルと日通し高値を更新した。もっとも、パウエル議長が労働市場のデータ次第ではピーク金利がさらに上昇する可能性を示唆すると、1.0688ドル付近まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は続伸:ポジション調整的な買い戻し優勢に

NY原油先物市場は74.35ドル‐77.35ドルのレンジ相場となった。ゼロコロナ緩和による中国の需要回復が支援となった。トルコの地震で同地域の原油輸送停滞が需給の引き締まりにつながるとの見方も買い支えの材料となった。アジア市場で75ドル台を回復した後、金利上昇を警戒して米国市場で一時75ドルを下回ったものの、米国市場の後半にかけてポジション調整的な買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で77.35ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は続伸:自立反発狙いの買い強まる

NY金先物市場は1877.50‐1897.20ドルのレンジ相場となった。先行した米金利上昇・ドル高の流れが一時反転した。金利が付かない資産である金が買われやすくなったことや、ドル建て金価格に割安感が生じたことが金買いの流れを後押しした。軟調な米株価も、安全資産とされる金を買う動きを支援した。米国市場の序盤で1877.50ドルまで売られたが、自律反発を期待した買いが入ったことで反転した。米長期金利の上昇が嫌されたものの、米国市場の後半で1897.20ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引では1880ドルを上回る水準で取引された。

 

米国債券市場は続落:パウエル米FRB議長発言で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.49%で終了した。また、米10年物国債利回りは前日比0.03%高い3.67%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のインタビューが警戒していたほどタカ派寄りではなかったと受け止められ、当初は買いで反応したものの、すぐに失速した。同議長が労働市場のデータ次第ではピーク金利がさらに上昇する可能性を示したことなどが相場の重しとなった。利回りは一時3.6886%前後と約1カ月ぶりの高水準を記録した。

 

 

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