FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:金融株や中国関連株が売られる

NYダウは106.93ドル安の26385.28、ナスダックは17.10ポイント安の7990.37で取引を終了した。米中貿易摩擦への懸念が広がる中、FOMCの追加利上げを確実視する見方が優勢となり、買いが先行した。FOMCでは大方の予想通り、今年3回目の利上げが決定した。貿易摩擦問題の長期化でも景気判断は変わらず、12月の利上げの可能性が高まった。しかし、金融政策については『緩和的』という表現が声明文から削除され、当局による利上げ方針が終了間近であるとの見方から長期金利が低下したため、金融セクターに売りが広がり、引けにかけて下落基調となった。VIX指数は12.42から12.89へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC結果発表後米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、対欧州通貨中心にドル高が進んだことで円売り・ドル買いが先行した。現物の米国株相場が小高く始まったことに伴う円売り・ドル買いも出て一時113.06円まで買われる場面があった。ただ、そのあとは米FOMCの結果公表を控えて様子見ムードが広がり、113.00円を挟んだレンジ取引が続いた。FOMC後のドル円は売買が交錯したあと結局下落した。一時113.13円と7月19日以来の高値を付けたが、1月8日に付けた年初来高値113.39円がレジスタンスとして働くと失速した。米長期金利の低下や米国株の失速も相場の重しとなり、一時112.64円と日通し安値を付けた。ユーロ/ドルは、 FOMC結果公表を前にポジション調整目的の売りが先行し一時1.1726ドルと日通し安値を付けたものの、24日の安値1.1724ドルが目先サポートとして意識されると買い戻される展開になった。FOMC結果公表後に米長期金利が一段と低下するとユーロ買い・ドル売りが活発化し1.1798ドルまで値を上げた。ただ、上値は重かった。

 

NY原油先物市場は反落:予想外に原油在庫増を嫌気した売り

NY原油先物市場は一時71.47ドルまで売られた。FOMCの結果公表を控え、前日終値水準で方向感に欠ける動きが続いたが、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計を受けて、売りが強まった。原油の在庫は取り崩し予想に反して185.2万バレルの積み増しとなり、ガソリンも市場予想以上の積み増しとなった。また、FRBは市場予想通りに利上げを決定した。FOMCの結果公表後にドルが主要通貨に対して乱高下するも、方向感が出ず、原油価格の反応は限られた。

 

NY金先物市場は反落:ユーロ安・ドル高を意識した売り

NY金先物市場は一時1194.60ドルまで売られた。FOMCの会合結果判明前でポジション調整的な取引が主体となった。米国金利の先高観が残されていることや、為替がユーロ安・ドル高となったことから金の上値が重くなった。ただ、FOMCの結果公表後は、利上げが決定されたが時間外取引で一時1204.50ドルまで買われた。

 

米国債券市場は上昇:パウエル米FRB議長の発言を受け買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.04%低い(価格は上昇)3.05%で終了した。FOMC声明で『緩和的』との文言が削除されると、市場の一部で『ハト派的なシグナル』受け止められ債券買いにつながった。パウエルFRB議長が『物価上昇が加速する兆しはない』と述べたことも債券買いを誘った。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ