FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利上げ長期化懸念から売り優勢に

NYダウは127.93ドル安の33926.01ドル、ナスダックは193.86ポイント安の12006.96ポイントで取引を終了した。1月雇用統計やISM非製造業景況指数が予想を大幅に上回る強い結果を受けて、利上げ長期化懸念を受けた売りが再燃し、寄り付き後は下落した。同時にリセッション懸念後退に伴う買いも見られ一時上昇に転じる局面もあった。しかし、一部ハイテク企業の冴えない決算や金利高を警戒したハイテクの売りが重しとなり、再び主要株式指数は下落。終盤にかけて、下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は18.73から18.33へ低下して終了した。

 

NY外国為替市場:米雇用統計受け早期利上げ停止が後退したことでドル買い

ドル/円は、米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比51.7万人増と予想の18.5万人増を上回り、失業率が3.4%と予想の3.6%より強い内容だったことが明らかになると、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退した。米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった。1月米ISM非製造業指数が55.2と予想の50.4を上回ったことも相場の支援材料となり、一時131.20円まで上値を伸ばした。市場では『米労働市場の需給ひっ迫が改めて確認された。3月と5月の会合でも利上げが続くとの観測が高まった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、前日に大幅下落した反動でショートカバーが先行し、一時1.0940ドルと日通し高値を更新した。ただ、欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めが想定より早く終了する可能性があるとの期待が強まる中、戻りは限定的だった。良好な米雇用統計やISM非製造業指数を手掛かりに全般ドル買いが活発化すると、一時1.0793ドルと日通し安値を更新した。

 

ポンド/ドルは一時1.2048ドルと1月6日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。英中銀(BOE)の利上げサイクルがピークに近づいているとの観測を背景にポンド売りが出たほか、良好な米経済指標を手掛かりにドル買いが進んだ。

 

NY原油先物市場は3日続落:米長期金利の上昇を警戒した売り

NY原油先物市場は73.10ドル‐78.00ドルのレンジ相場となった。良好な米雇用統計発表後も落ち着いた動きを見せ、一時78ドル手前まで上昇した。しかしながら、ドルの上げ幅が拡大すると、ドルで取引される原油先物は徐々に上値が重くなり73ドル台まで大幅に続落して引けた。アジア市場では主に75ドル台で推移し、1月米雇用統計の予想外の改善を受けて一時78.00ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の後半にかけて長期金利の上昇を警戒したポジション調整的な売りが拡大した。通常取引終了後の時間外取引で73.10ドルまで一段安となった。

 

NY金先物市場は3日続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1874.50‐1932.40ドルのレンジ相場となった。米雇用統計が市場予想よりも強い結果になると、米金利とドルが急伸した。金先物はドルで取引されることで割高感もあり、金先物は大幅続落で引けた。また、ハイテク株の決算が弱かったことや、米金利高で米株は下落していたが、ISM非製造業指数が大幅に改善されたこともあり、一時ほぼ横ばいまで戻すなど、市場がリスク選好の動きにもなったことも金先物の上値を抑えた。アジア市場で1932.40ドルまで買われたが、その後はじり安となり、1月米雇用統計の予想外の改善を受けてポジション調整的な売りが急拡大。一時1874.50ドルまで下落し、通常取引終了後の時間外取引では1878ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は大幅反落:米FRBの早期の利上げ停止期待後退

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.19%高い(価格は下落)4.29%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い3.52%で終了した。良好な1月米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退すると売りが優勢となった。1月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことも相場の重しとなった。

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